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耳が育った!2024年(ピアノ練習日記)
いよいよ今年もあとわずか。
みなさま、大変お世話になりました。
どうぞ良いお年をお迎えください。
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さて!趣味の音楽について振り返ろうと思います。いろいろ幅が広がってしまったので、純粋にピアノの話だけではありませんが。よろしければお付き合いください。(ピアノのことは後半に出てきます。)
今年ははっきりと言えます、圧倒的に「耳」が育った一年です!
(私、こんなに音楽的な伸びしろがあったんだなあ~!)
どうしてそうなったかというと、リコーダーの個人レッスンを受けるようになったから、だと思います。管楽器(や弦楽器)は、鍵盤楽器以上に「音程をつくる」感覚が必要になります。指づかいが正しければいいということではなく、曲の調性や旋律の流れからどのような高さを選択するのか、また伴奏の和音に対してどういう音色をあてはめるとより自然で美しいか、といった感じのことを細やかに考えながら演奏します。習ってみてびっくりしたのは、単旋律の楽器なのに(だからこそ?)ハーモニーに関する知識がめちゃくちゃ必要なこと。幸い、私は他にチェンバロで通奏低音も習っているので、レッスンの相乗効果がものすごいです。ありがたい組み合わせです。
耳が育った!といえる理由がもう一つあって、それは調律を学ぶ機会に恵まれたことです。
私は実際に楽器の弦をゆるめたり締めたりして音の高さを変える、あの作業をすること自体が「調律」だと思っていたのですが、調律の本質は「自分の耳」を頼りに、音楽的に利用可能な音の並びを調節することであって、そのためにはまず理論を知っていることが前提となり、チューナーがあるからいいとかそういう問題ではなかったのです。
今回、音律がどのように研究され発展してきたか・・・という流れを丁寧に教えてもらえたこと、また音律に合わせて作曲家も美しい響きでつなぎ、ゆがんだ響きを避けるよう工夫して曲をつくっていたこと(表現のために、あえてそういう響きを取り入れることも!)、音律と作品のもつ響きの関係が密接に関わっていることがよくわかりました。おかげで当時の作品の素晴らしさがよりダイレクトに感じられるようになり、嬉しいです。
これまではずっとお任せしていたチェンバロの調律ですが、最近は自分でトライしています!今後は弾きたい曲や調に合わせて、調律を変えて楽しむ、ということもしていきたいです。
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私、チェンバロやリコーダーといったいわゆる「古楽器」の類い、そしてバロックの音楽が心底好きになったし、音楽の表現の方向性としても、自分に合っているような気がします。私が求めていた音楽ってこれだったんだ、ついに見つけた!って感じです。でもここを語りはじめると長いので、またの機会にとっておきますね。
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このように様々な楽器に触れるようになったので、以前にも増して「楽器そのもののもつ良さを引き出せる演奏をしたい」と願うようになりました。少なくともチェンバロとリコーダーは表現できることが明らかに違います。そうした視点であらためて現代のピアノに触ってみると、表現できることのなんと多いことか!(だからきっと、クラシックでもポップスでもジャズでもハマるんですよね!)
それで、クラシックで「ピアノ本来の良さ」を引き出せる楽曲となると、やっぱりロマン派以降(特に、ペダルを使うことが効果的な曲)なんじゃないかと思うようになりました。
私は個人的な好みでバロックが好きなので、バッハやスカルラッティを弾くのがすごく楽しいです。ツェルニーも好きで、かつ自分の技術的な課題をクリアするためにも必要だから弾きます。でも、近現代の曲を弾いたときの、空間に放たれる響きみたいなのはバロック~古典派とは全く違っていて・・・明らかに「ピアノが鳴ってる」って感じがします。どちらも自分が弾いているのにね。それはやっぱり、曲が最初からピアノのためにつくられているから?ピアノの良さが生かされるように、作曲されているからなのかな~?と思います。あと、平均律ってすごいです、本当にいろいろな音の組み合わせを楽しめる!
と、いろいろ考えつつ今年は弾いていた時間はだいぶ少ないです。必要になってよく弾いていたのは、7月と12月ですね。
7月は幸運にも「フォルテピアノ・アカデミー」に受講生として参加することができました。2年前、ちょっと触っただけでも、ものすごい衝撃を受けたフォルテピアノ。それを今回はたっぷりと弾くことができました。また、先生方の素晴らしいレッスンも忘れられません。もともと好きな曲が、レッスンによってさらに彩りを増し、鮮やかに感じられるようになりました。
「先生」というフィルターを通して、より深く音楽のことがわかって、わくわくして元気をもらえたように思います。そんな風に、私も仕事を通して人に元気を与えられる人を目指したいなと思いました。
12月は、人前で弾く機会があったのですがそれは演奏発表ではなく「BGM」でした。選曲は任されていたのですが自分の好み以上に「空間に響く音の印象」をどういうものにするか、目的にふさわしいいかどうか、を考えなければならず難しかったです。最初選んだ曲は、私にとっては「落ち着く、集中できる」曲だったのですが、依頼者的には「さびしい、暗い」と感じているようでした。あわてて別のものに変えました。結果的にはそちらでうまくいったので、良かったです。明るく、あたたかく、おだやかな(そして自分好みの!)曲のレパートリーを今後も開拓していきたいです。
(そしてこのBGMの1件で、作曲された時代による、曲の響きの差みたいなのをめちゃくちゃ感じました。コンサートなら、その違いを味わうこと自体が目的になるから、いいんですけどね・・・)
<今年新たに取り組んだ曲>
J.S.バッハ:371のコラール集 最後まで
D.スカルラッティ:ソナタ 数曲
ツェルニー:50番練習曲 9,10,11(練習中)
ケクラン:10のやさしい小品 Op.61c
吉松隆:プレイアデス舞曲集より いろいろ
中村美穂子:ピアノソロ作品集より いろいろ
etc...
あの、本当に全然練習してないのですが、ツェルニー進めたい気持ちはずっとあります!!!近現代ではケクランが気に入ったのでもう少し弾けるようになりたいです。
バッハのコラール集はなんとか最後まできました。2年半かかった・・・!当初はオルガンをもっと素敵に弾くことを目的に練習を始めたのだけど、今やすっかりチェンバロ沼・・・しかしピアノで弾くと学べることが多く、あと疲れたときに弾くと癒されていました。
ずいぶん長くなってしまいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
来年もマイペースで、楽しんでいきたいです♪
#エッセイ #音楽 #ピアノ #2024年のふり返り