歌が上手いということ⑬

昨日まで演奏について書いて来ましたが、ふと思ったんですよ。

楽器の演奏より人間の声の方が明らかに音程がとりにくい、ということに。

まあよく考えてみれば普通の話ですが。

で、そうしたそのずれた音程が、「正しいもの」とされる。

実際、ボカロにしても「調教」という工程があります。

最初から最後まで均一な音程だと、それが狙いでない限り、いびつなものに聴こえる。

だから敢えてずらす工程を足している。

でもそれが悪いという人は誰もいない。

実際の人間の歌の音程はかなり不正確だから。

もちろんそれが間違っているわけではない。

誰も目くじらを立てない。

ある意味人間の声のピッチが正しくないことが前提になっている。

まあ当然です。楽器でどうやって音にゆらぎを持たせるかを考えている位で、わざわざその必要がないものを直す必要性はありません。

正直自分自身、そのことに昔から理解があった訳ではない。

実際この辺の話は難しくて、どの程度までが良くてどこからがだめなのか、明確な基準はありません。

人によって違うと言ってもいいでしょう。少なくとも理論的に語れるものではない以上、主観的なものでしかない。

でもやはり「歌」に人は感動する。

だから、歌にとって「音程」というものはその構成上の単なる一つであって、全てではない。

かと言って音程の悪い歌を上手いという人はあまりいない。例えば松任谷由実さん、作曲者としては優れていますが、歌が上手いかというと、個人的な感覚からするとアウトです(荒井由実さんの方が良かった)。

はなから炎上しそうなことを書いていますが、声楽家が選ぶ「歌が上手い歌手ランキング」とかいうテレビで32位…。

どう考えてもJUJUさん(44位)の方が歌が上手いのに。

と言ってもこれは個人的な意見だし、あのランキング自体「好き」が大きく影響していそうな気がする、言わば「主観の総合体」というものですが。

結構この世界、ミーハーな人は多いので。当てにならないと言えばそれまでですが、でも単にそれで片づけていいのかどうかも分からない。

そこで明日からはこのテーマで記事を書いていきたいと思います。



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