曲と歌詞⑱

今回はある意味自分にとっても大きな意味を持つことになった作品を取り上げたいと思います。

鬼束ちひろさんの「月光」です。

「I am God’s child この腐敗した世界に堕とされた」、この最初の部分だけで、これまでのJ-POPではありえない作品だということを示していると思います。

日本の曲でこういう歌詞を書く、ということ自体が稀たと思います。「腐敗」という言葉自体、使われる頻度が少ないでしょう。

その上「I am God’s child」ですからね。正直こういう作品を日本語で書く、という発想自体がこれまで無かったと思います。

まあこの部分は日本語じゃないけど(笑)。

自分自身はかっては英語詞でしか曲は書かなかったし、やはり日本語で書かれる歌詞だと、どうしてもある種の方向性が決まっているような気がして、抵抗感があったのですが、やはりこの作品に出合ったら、衝撃を受けざるを得ませんでした。

日本語でこういうことやってもいいのか、という衝撃です。

ある意味凄い方が現れたなあ、というのが率直な感想ですし、日本語詞に対する意識が完全に変わりました。

というか、こういう作品を受け入れる環境が日本に無かったのかもしれません。

というか今でもあるかどうかは分からないですよね。

やはち「TRICK」の影響は大きいんでしょうね。お笑い的な要素も強いドラマでしたが、その底にある種の「闇」があって、それがこの曲と共鳴したことによって、「月光」自体も有名な作品となったような気がします。

まあこの曲を聴いた時は吹っ飛びましたが、鬼束ちひろさんのその後の作品の歌詞も凄いですし、曲も「月光」より好きな曲が沢山あるので、今は鬼束ちひろさんの曲の自分内ランキングでは、「月光」は10位以内にも入らないと思います。

以前この内容は記事にした記憶もありますが(汗)。

「Infection」にしても、「爆破して飛び散った心の破片」なんてあまりない表現でしょう。「眩暈」にしても「私とワルツを」にしても、完全に独自の世界観を持った作品ですよね。

曲として一番好きな作品は「Sign」なのですが、やはり鬼束ちひろさんだと「重い」イメージの作品の方が多いので、やはり「重い感じの人」になると思います。

正直鬼束ちひろさんについて語ると、多分10本以上この記事を書くことになるのでさすがに止めておきますが、日本においても「特異点」と呼ぶべき存在かもしれません。

まあお騒がせぶりも「特異点」に近いかもしれませんが(笑)。

今日取り上げた作品は「重い」作品だったので、明日は「清らかな」作品を取り上げたいと思います。

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blue but green
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