作曲の方法論⑰

まだやるのかよ、と言われるかもしれませんが、まだやります。

自分の頭の整理、という意味合いも強いですから。

特に初心者の方の場合、⑮で「音楽理論を学ぶこと」、⑯で「音楽を沢山聴くこと」が、曲のマンネリ化を防ぐ手段である、ということを書きましたが、この人何言ってるんだろ、と思われそうなので、真意を書きたいと思います。

これは初心者に限ったことではありません。音楽をやる以上、ほぼ宿命的なものと思った方がいいと思います。

両方とも「マンネリ化を防ぐ」ため、と書きましたが、その裏には「自分の立ち位置を知ること」という本来の目的があるからです。

音楽をやっている以上、自分が今「どこにいるか」ということを「把握」することって重要なんですよ。

何度も書いている話ですが、「完全なオリジナル」なんて存在しません。コード進行使って曲を書く、ということ自体がそもそも「コード進行」が先に存在することを示している訳ですし、もっと言ってしまえば、12音使って音楽を制作すること自体が、ある種の「模倣」なり「コピー」である、という言い方も出来ます。

何もないところから12音平均律(別に平均律じゃなくてもいいのですが)を生み出して作品を作れる人なんていないだろうし、そんなことは単なる「時間の無駄」です。

もう既にあるものを自分自身で作り上げても、意味もないし、第一自分が一から作ったことが証明できません(笑)。

だから、ごく一部の方を除けば、ある意味既存の音楽の「枠内」で作る方が「真っ当な」方法でしょう。

ただその時に大切になるのは「自分がどこにいるか」であり、もっと具体的に言うと「自分の曲がどのようなポジションにあるか」なんですよ。羅針盤的なものが自分自身に無いと、初心者かどうかに関わらず、この人は何がしたいんだろう、となってしまいます。

音楽って相対的なものなんですよ。まあ音楽に限った話ではないと思っていますが、ここで哲学的な話を書くつもりはないので。

一つの作品は独自に存在している訳ではなく、他の曲との「関係性」の中でしか存在しえません。その時に自分がどのようなポジショニング音楽の音楽をやっているのかが分からなければ、自分自身の作品もマンネリ化したままで、変わりようがありません。

正直「正解」はないでしょう。解釈する主体が作り手や多くの聴き手の数だけある訳で、誰をも納得させる「答」はないと思います。だからこそ、自分の作品は自分自身で判断するしかありません。で「正解」がないからこそ、「羅針盤」が必要なんだと思います。

それが「自分の立ち位置」を知るということだと考えています。

ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。