作曲・編曲59
で、小林武史さん、何をしてきたのか良く分からない時代が数年続いた後、桑田佳祐さんのソロでやっと姿が出てくることになります。
この事が大きな転機になったのでしょう。
でもその後ソロアルバムを出しても、全然売れなかったようです。
やはり本当の意味での転機となったのはサザンの「真夏の果実」なんでしょうね。
前に何度も書いていますが、この曲、イントロについて語られることが多いです。
で、桑田佳祐さんが作ったと思い込んでいる方がほとんど(笑)。
ただ実際にはそこは編曲者の仕事であって、実際に制作したのは小林武史さんです。
音自体は「古い」と言えば古いですが、音色による影響が強いのでしょう。
実際にはやはり良く出来たイントロです。何度でも言いますが、このイントロを桑田佳祐さんが書いていると勘違いしている方が、それこそ音楽評論家ですらいらっしゃるようです。聴けば完全に小林武史さんの仕事だということは一目瞭然(って見えるものではありませんが(笑))、日本の音楽評論家の質の低さが良く分かります。
これも前に書いたことのある話ですが、イントロって曲のどこかから持ってくるパターンが多いです。やはり簡単な上に、曲の強調したい部分を予め提示しておくことによって得られる効果が大きいからです。
もちろん、最近はイントロ作っても聴かれないし、逆にその曲自体がとばされる可能性が高いので、イントロのない曲も多くなっています。
ただこの曲は完全に曲から独立してイントロを制作しているんですよね。
もちろんダメなイントロならダメなアレンジャーと言われるだけです。だけれどもこのイントロの評価は高いから「いいアレンジャー」ということになります。
で、上手いのはこの独立したイントロのイメージを曲全体に引っ張っている点です。
こうすることによって曲に統一感が出ます。これはまあ良くやる手法と言えば良くやる手法ですが、やはりイントロが秀逸であり、独立性が高いから曲が二重に良く聴こえるんですよね。
その上に桑田佳祐さんのメロと歌が乗るから、これがまたいいんですよね。
思う存分自由に表現しているイメージです。
もちろん曲自体も名曲だと思いますが、小林武史さん無しではここまでの曲にはならなかったと思います。
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