作曲の方法論㊹

で、今日はテーマを戻して、昨日書いた内容の続きについて書きたいと思います。

一応一日ぬかしたので、一旦今日のテーマを整理したいと考えています。

「パターン」で制作した場合に表出されるミュージシャンの「個性」と「パターン」で制作しない場合に表出されるミュージシャンの「個性」をいかに両立させるか、といった問題です。

裏を返すと

・ミュージシャンの個性を出そうとすると、作品の個性が希薄化しやすい

・作品の個性を出そうとすると、ミュージシャンの個性が希薄化しやすい

といった感じでしょうか。

昨日も書いた通りですが、演奏者の個性でそこを埋めようとしても、演奏者が変わらない保証がない以上、この両立のためには他の要素が必要になります。

もちろん「歌詞」で埋める、という方法もありますが、それには卓越した能力が必要になる訳で、出来ない人はどうするの?、ということになります。

ただその解決策は意外と簡単なんですよ。

作品というのはメロ、コード、リズムだけで成立している訳ではないからです。

・どのような編成にするか

・パート毎にどんな音を鳴らすのか

ということも考えなくてはなりません。まあ簡単に言うと「アレンジ」とかそういう領域で個性をだせばいい、というそれだけの話です。

ただ「アレンジ」に気を取られることはあっても、「編成」を考えている方って意外と少ないんですよね。

なので「編成」ということについて書いていきたいと思います。

自分の場合、自分で歌いたくて歌っている訳ではないので、その辺に気を使わないと、いざ他の方が歌う、となった時に「個性」が消失する危険性がありますから、やはり「個性」を残すために「編成」をどうするか、という点は重要な手段だと考えています。

特に日本語曲を書くようになってから、その辺に対して敏感になったように感じています。自分の場合はやはりピアノでコードを提示し、チェロが入る、というのが基本的なパターンです。

でチェロに対して何を使うかを考えています。基本はやはりバイオリンですね。「おやすみ」のようにフルートを使うのは例外で、弦で2パートを使うことが多いですね。

で足りないな、と思えば、そこにビオラを足し、バランス悪いな、と思ったらバイオリンを2パートに分割する訳です。

昨日紹介した「あなたへと...つたえたい」も同じパターンですよね。今回は敢えて「自分の響き」に寄せてアレンジしています。

と、書いていますが、実際にはどの曲もほぼ最初から4パート書いていて、そこから引き算をするように制作しています。

手間のかかることを、と思われるかもしれませんが、ストリングスのアレンジってその方が楽なんですよ。後から足していくと、綺麗に響かないものです。

その辺の話を書きだすとまた話が長くなって、どんどん本題からそれてしまうので、この話は後日にでもまた。

ただこのようなやり方で作品を作っていくと、作品に一貫性が無くても、「blue but greenの響き」的なものが生まれるんですよね。

ストリングスに関する間奏をいただくことが多いので、やはりその辺がポイントなんだと思います。

まあそれでいいのか悪いのかは分かりませんが、少なくとも「パターン」に頼らなくても、意外な部分で「個性」というのは出せるものなんですよ。

もちろんこれがパターン化すると飽きられるので、バイオリンを入れずに他の楽器で対旋律を鳴らす、ということもやりますが、基本的な部分は維持されているので、「個性」から外れることもありません。

って自分が思っているだけかもしれないけど(笑)。

ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。