演奏が上手いということ⑲

今日は金管楽器の問題について決着を付けたいと思います。

書かないとどうなるかは分かりませんが(笑)。

やはり他の楽器との差異について考えるのが一番早いでしょう。

他の楽器と比べて大きく違うのは、楽器の構造自体に音程を明確に表現する機能がないことです。

もちろんそれでは楽器として成り立たないので、スライドなりバルブで基本的な音程は作り上げています。

ただ、基本的に補助的機能です。

分かりやすく言うと、例えばピアノであればどんな下手な人が弾こうが、鍵盤を叩いて出る音程はほぼ同じです。

完全に同じではないですが、その要素よりも調律師の能力に負う部分の方が遥かに大きい。

でも他の楽器では程度の差こそあれ、音程のずれは発生しやすい。

弦楽器は発生しにくいです。あくまでも一定以上の耳を持っていることが前提ですが、弾いているうちに調律がずれたとしても、開放弦でない限り音のずれは発生しにくい。

演奏者は押さえる場所を意識している訳ではなく、実際の音を意識して弾いているからです。

いわゆる「フレット」のある楽器の方が難しいでしょう。それでも微調整は可能です。

エレクトリックギターのビブラート・ユニットを使うとやはり厳しくはなりますが。

基本的に音程を壊す装置ですから(笑)。

ただ、金管楽器の場合、構造上簡単に音程が作ることが出来ない。

演奏者によって音程がおかしくなりやすい。

もちろんこの話は他の楽器でもある話で、木管楽器のように運指で音程が決まると思われている楽器でも普通に音程のずれは発生します。吹き方次第で普通に変わるものですから。

ただ基本的に運指でおおよその音程は決まります。

でも金貨楽器の場合、指だけでは音程が決まらない。

実際「信号ラッパ」と言われている楽器は12音出せないですからね。

これはその構造に由来している。

バルブもピストンもない、単なる筒ですから。

でも逆に言うと、それだけで一定数の音程を作っている。

基本的に金管楽器は同じ構造です。

だから演奏者による差が出やすい。

少なくとも運指で一定程度音程が決まる木管楽器とは構造が違う。

だから「上手い演奏者」の数は少ないし、演奏者のレベルによる差が出やすい。

そのため、下手な人が演奏するより、打ち込みの方がいい場合が多くなる(もちろん打ち込みの技量がないときちんと鳴らすのは難しいですが、逆に技量のある人の打ち込みの方が下手な演奏者よりも、再現性の高い音を作ることができる。

まあ確実に言えることは「金管楽器」は難しい、ということでしょう。

ならば「木管楽器」は簡単なのか、という話になるのですが、実際にはそうでもない。

明日はその点について書いていきたいと思います。

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