2019年以降③
やはり2019年と言えば次に来るのはこの方達でしょう。
King Gnuです。
まあこの方たちのデビューも2018年だったようですが。
「白日」はあまりにもインパクトありましたよね。Official髭男dismもそうでしたが、やはりこの辺になると完全にサブスクを意識した作品制作になっていて、展開が早いですよね。
ただ、Official髭男dismの場合、ある程度曲の展開が読めるんですよね。もちろん一つには絞り切れないけれど、何曲か聴いていると、あ、こっち行くんだろうな、とか見える部分があるんですよ。
外れる時もありますが(笑)。
ただそう考えると、King Gnuの方がはるかに展開が読みにくいんですよね。え、そっち行くの、ということが多いのですが、それでも理にかなっている、これはなかなか出来ることではないと思います。
もちろん、展開の読みにくい曲を作ること自体はそれほど難しくはありません。むしろ誰でも作れます。難しいのは展開が読みにくいのにもかかわらず、その展開を納得させる曲を作る、ということです。
そう考えると常田さんって凄いなあ、って素直に思います。
ただ、藝大出身ということを強調する方がいらっしゃるのはちょっと違うような気がします。
常田さんもそういう「学歴信仰」的な捉えられ方をするのは嫌でしょうし。
「藝大」と言っても、作曲や楽理ではなく、チェロですから。もちろん相当の音楽知識はあるのは間違いないでしょうが、だから曲が凄い、ということとは全く関係ないと思います。
教わったことは当然作品制作に活かされるでしょうが、では教わったことだけで曲が作れるか、ということは全く別の問題です。
しかもポピュラーの作り方なんて誰も教えてくれないでしょうし(笑)。
「教わったこと」というのはある種「素材」の一つという程度、しかも受動的である分、やはり弱いんですよ。それより「自分自身で音楽を探求すること」や「それをいかに応用して作品に活かしていくか」の方が遥かに重要ですから。
そういう意味だと、常田さんって物凄い探究者だと思うんですよね。コード進行上、一瞬あれ?っと思うコードが出てきても、分析すると明確な意味がある場合がほとんどです。
そうでないとああいう曲は書けないでしょう。ただ藝大行ってチェロの弾き方を勉強している、というのとは訳が違うと思います。
そういう意味だとやはり最近のミュージシャンの中ではダントツに凄いと言わざるを得ません。
まあ聴いた時の「心地よさ」という点からするとOfficial髭男dismの方が「いい」になるのかもしれませんが...。
でもプロだったら「白日」をきちんと評価出来ないようじゃダメですね。