昭和歌謡⑰
昨日はテーマを変える、と言っていたのですが、変えないことにしました。
読み返してみて、「昭和歌謡」というものが見えてきたような気がしたからです。
やはり「昭和歌謡」というものは曲それ自体を指す言葉ではなく、編曲にこそその特徴がある、という点です。
ここが今のポピュラーとの差異になっている。
今の曲でももちろんブラスや弦を使うことは言うまでもありません。
たまたま今YOASOBIの「海のまにまに」を聴いているのですが、結構ブラス系の音は使っています。
ただ問題なのはその使い方です。鳴らすところと鳴らさないところが明確です。
「昭和歌謡」だとこの「メリハリ」がないんですよ。
無いと言うと言い過ぎかもしれませんが、少ないことには間違いない。
もちろんあまり使っていない作品もあります。ただそういう作品だと逆に最初から最後までその調子。
無いものは使わないけれど、あるものは大抵使う。
あるけれど使わない、という意識はない。
本来楽器は「弾かないこと」も「弾くこと」です。
弾くだけなら弾ける人なら誰でも弾けます。ただ弾かないことは意外に難しい。
弾けるだけに「引き算」が出来なくなる、これはミュージシャンにとっては一般的に言えることです。そこを抜け出せないと単なるテクニックのひけらかしに終わる。
もちろん「昭和歌謡」にそのようなテクニックは必要ありません。ただ「引き算」が出来ないのは同じ。
「引き算」が出来ている曲も昭和に存在するのは事実ですが、そういう曲は「昭和歌謡」とは呼ばれない。
まあそう言うとどの曲が「昭和歌謡」なのか、という問題に戻ってしまうので、実際にどの曲が「昭和歌謡」的要素(あくまでもこれまで述べてきた基準の中で、ですが))が強いのか、これから実例を元に考えていきたいと思います。
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