ミュージシャン①King Crimson~6

次の作品は「Starless And Bible Black」ですね。

ただ正直このアルバム、印象が薄いんですよね。

アルバムの出来が悪い訳ではありません。

「Fracture」の印象が強すぎてアルバム全体の印象が薄いんです(笑)。

普通、あのスピードでギターを弾くときにあれだけきっちりと、フルピッキングで弾かないでしょう。で普通こういうことをすると、やはり全ての音を揃えて弾くのは難しくなり、曖昧な音やはっきり聴こえない音が出てくるのが普通です。

特にエレクトリック・ギターの場合、早く弾く時って抜いて弾いた方が楽です。例えば自分も昔コピーしましたが、Jeff Beckの「Scatterbrain」を弾く場合でも、軽めに弾いていました。別に軽めでも音がきちんと出る楽器なので、そういう弾き方で構わないと思っています。

で音楽として聴いた場合でも、楽器って抑揚を付けて弾くのが普通だから、その方が演奏としては自然とも言えます。揃えるのがいい、ということではないんですよね。

ただ、この曲の場合、全ての音が機械のような正確さなんですよね。どの音もしっかり聴き取れますし、後の「Frame By Frame」の高速アルペジオに繋がるものを感じます。

ここまで完璧にやられると、やはり感動ものなんですよ。

そんなのただの技術じゃないか、と言われればそれまでです。

ただ実際に聴くとやはりぶっとびます。

しかも弦の移動が激しくて、決して弾きやすいフレースじゃないんですよ。聴くと凄いけど、見るともっと凄い。

同じスピードの速弾きであっても、弾きやすいフレーズもあれば弾きにくいフレーズもあります。

でもこの曲、敢えて弾きにくくするように作ったとしか思えません。

Robert Frippが自分の練習用に作ったんですよ。きっと。

アルバムとしても優れた作品なのでしょうが、自分にとってはFractureばかりに耳がいってしまい、客観的に聴くことが出来ません。

なので今日はこれにて…。


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