アレンジの時代性⑫
さすがにこれだけ書いていると疲れてきますね。
じゃあ書くな、という感じかもしれませんが(笑)。
やはり今のアレンジの基本は「楽器の音を必要以上に前に出さない」というところにあると考えています。
これはどの楽器も然りだと思います。もちろんギターソロの部分でギターをきちんと鳴らす、のは当たり前ですが、延々とギターをガンガン鳴らしっぱなし、は基本ありえないと思います。
もちろん歌モノに限った話であり、インストはその限りではありません。後、MIYABIさんのように、歌モノでもギターが中心、という曲はいいんですよ。
ただ、「前に出してもいい楽器」というのもあります。
ピアノとアコギです。
もちろん弾きすぎはアウトですが、それでもミックスバランスを整えれば弾きすぎる位でも大丈夫です。
これを他の楽器でやったら確実にうるさくなります。良く音楽番組で有名なバイオリン奏者が出てきて弾くケースがありますが、間違いなくうるさくなります。特にこういう場合だと、付加価値付けるために「宮本笑里さんです!。」みたいに紹介されて出てくるから、目立たせようとするためにミックス上げるので、尚更良くないです。この方の演奏、音大きくないのに...。持ち味を完全に殺してます。
それに対してピアノやアコギは減衰系の楽器なので、アタックが強めでもその後は音量が下がるから、うるさくなりにくいんですよ。その上、楽器だけで鳴る楽器はやはり人の耳には自然ですから、その点と相まって使いやすい楽器なんだろうな、と思います。また「アンプラグド」というスタイルも多いですが、そうなるとこの2つの楽器の重要度は極めて高いですからね。
後和音も旋律も弾ける一つの楽器で弾ける、というのもポイントだと思います。「使い方」のバリエーションが多いので、便利なんですよ。
ただピアノの方がアタックが強いので、あまり目立たせると不自然になりやすく、そういう意味ではアコギの方が使い勝手はいいと思います。
例えば最近亡くなった筒美京平さんが作曲し、稲垣潤一さんが歌った「ドラマティック・レイン」、この曲自体は思い切ったAメロの短さが斬新で、筒美京平さんの曲では一番好きな曲ですが、サビの後のピアノの連打がいかにも古い印象を与えます。
やはり最近のアレンジではこの2つをどう使うかが大きなポイントになってくると思います。
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