作曲の方法論㊾
で、気を取り直して(って自分でドツボに入っていただけ、という気もしますが)、まず「頭の中」での作曲について考えてみたいと思います。
頭の中にあるものを具現化するものとして、譜面なり、楽器であったり手段は色々あるにしても、「頭の中」からスタートする点は一緒であるので、一旦同じものとして考えます。
もちろん、実際には同じということは無い、とも考えています。
どっちなんだよ、と言われそうですが、手段によって変わってくる部分もある、と思い直したんですよ。
ただ、最初の分岐点としては、やはり「頭の中にあるもの」を具現化するか、もしくは「頭の中にないもの」を創作するかを設定した方が適切と考えたので、昨日書いた通りの展開で考えていきたいと考えています。
やはりこの2つは真逆ですからね。
もちろんこの2つの混合パターンもあり得ますが、それはまた改めて。
まず「頭の中」で考えると、やはり「メロ先」もしくは「オケ先」になる可能性が高い、というのが自分の考えです。
あまり「コード進行が浮かんできた」というのが想像出来ないんですよね。このコード進行を使おう、とか考える方は大勢いらっしゃると思いますが、コード進行自体が浮かんでくる、というのは極めてハードルが高いと思います。
やはり普通に考えると、頭の中で思いつくコード進行は「一般的なコード進行」になる可能性が高いと思います。
「頭の中」ではやはり限界がある、という感じだと思います。やはりコード進行にはパターンがありますから、そこから離れたパターンが頭に浮かんでくる、ということは少なくとも自分の場合はありません。
このパターンのある部分を変えてみよう、と思いつくことは充分にあり得ることだと思いますが、まあそこまでが一般人では限界でしょう。
というのはメロで作成可能な音の配列と、コードで作成可能な和音の配列では圧倒的にコードで作成可能な和音の配列の方が少ないんですよ。
もちろん、コードは単純に「メジャー」と「マイナー」に分かれるので、三声の和音だけで12×2=24ある訳ので、おかしいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、これは例えば8小節の中に、何音、もしくはコード数が入れられるかを考えると、普通の曲であれば、やはり圧倒的に和音の方が少なくなります。
もちろんメロの入っていないところでもコードが変化している場合も多いですが、基本的には1つのコードの中に2音以上入っているのが普通ですし、メロの方が1音符の長さのバリエーションが多いから(言い換えればメロにはリズムが内包されているのに対し、コードにリズムは内包されていない)、数列組み合わせとしては圧倒的にメロの配列の方が多い、ということになります。
これは論理的に明らかなことですから、逆らってもしょうがないでしょうね(笑)。
そのため「頭の中」で曲を作る場合、「コード先」の例は少ないと思います。
部分的に使う場合はあるでしょうが、徹頭徹尾「コード先」で作るのはやはり難しいかと...。
そうなると「頭の中」で曲を作る場合、「メロ先」か「オケ先」かのどちらかで考えていくのが妥当でしょう。