アレンジの時代性⑮
やっとかよ、という感じですが、90年代前半、これで一応歴史が繋がります(笑)。
この少し前から「J-POP」という表現が使われだしたようですが、やはり前半と後半では大きく音楽が変わっていると思います。
やはり後半、98年位までは小室さんの全盛期だったのに対し、前半はbeingの時代ですから、スタイルが全く変わっていますよね。
もちろん90年代前半でも、今井美樹さんの「半袖」のように例外と言える作品もありますが。
beingの時代は80年代の作品の総括、という感じに近い印象を持っています。70年代からその傾向は出てきているのですが、編成がバンドで演奏することを前提に作られています。
それまでの作品はバンドで演奏するというより、バックを沢山従えて、に近い印象でしたから、ガラッと変わった印象があります。バンド中心のサウンドになることによって、世界標準に近づいた、というイメージです。それまではある意味「ガラパゴス化」していた、という状況に近いと思います。
もちろんバンドにある楽器だけで演奏する、ということではなく、他の音も入っていますが、やはりこの頃から音のメインはバンドで、他の音は「装飾」に近いイメージになってきたのかと。
シンセの使われ方や音源が安定してきて、無理に人を連れてくる必要が無ったことが大きく影響していると考えています。
ただ、如何せん、この頃は「音が画一的」なんですよね。明確な「ミュージシャン毎の音」が無いんですよ。
小室さんも曲を「量産」しましたが、この頃との最大の違いは。小室さんの場合、「小室サウンド」といわれるように特徴も大きいのですが、プロデュースするミュージシャン毎のコンセプトが明確だったから、ミュージシャンによって当然音が違っているんですよね。
ここがやはり小室さんの新しい点だったんだと思います。
で最初の話に繋がってくる訳です。
次回からは軽く洋楽に触れておきたいと思います。まあ洋楽といっても英米の音楽の話なので、「地域的な話」とも言えますが、やはり世界各国に流通してますから、そういう意味で「洋楽」という括りで考えます。
ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。