ミュージシャン①King Crimson~4
今日は元の記事に戻ります。
次は「Islands」ですね。「Lizard」よりも更に散漫な印象かもしれません。ただこのアルバムは好きなんですね。
敢えて散漫なままをさらけ出したような感覚がいいんですよ。
まとまりがない、と言ってしまえばそれまでですが、個々の作品のクオリティは高いと思います。
特に表題曲の「Islands」は名曲と言って過言ではないと思います。
プログレに興味がない方が聴いても普通に美しい曲です。ダイナミクスが広いのと、曲の長さはやはり今時の音楽とは違いますが。
もちろん旋律自体の美しさもありますが、Keith Tippettの奏でるピアノの響きが何ともたまらない。
木管も金管も素晴らしいし、この手の曲にしては即興性が高い印象です。
だからこそコルネットとボーカルのユニゾンが逆に効果的になります。
この曲だけでアルバム1枚の価値があると言ってもいい曲でしょう。
まあこれは自分の「好き嫌い」の範疇の問題ですが(笑)。
このアルバムにはもっと別の意味合いがあると思っています。
このアルバム、やはり全体的に即興性が高いんですよ。
もちろんスタイル自体はその後の「Larks' Tongues in Aspic」に見られる即興性とは違うものです。
ただ、このアルバムが無ければ「Larks' Tongues in Aspic」も無かったように思えるんですよ。
少なくとも「Lizard」は無くても「Larks' Tongues in Aspic」は存在し得たと考えています。
というのも、ここで初めて「対話型インプロヴィゼーション」ということが明確になった、と考えているからです。
即興演奏って、意外と相手の音を聴かないことが多いものです。コード進行があれば、一応形に合うものが出来てしまう。
むしろそのコード進行が「呪縛」的になってしまい、相手の奏でている音より、コード進行の方が即興演奏の元になってしまう。
ジャズでもこういう即興演奏をしばしば耳にすることがあります。
このアルバムより前のKing Crimsonはそういう即興演奏とも違っていて、決められた枠の中で行っている印象でした。
ただ、このアルバムでその印象はがらっと変わったと考えています。
これまでのKing Crimsonと違って、自由度が増して、相手の音を聴いた上で自分はどう弾くか、という「対話」なり「会話」といたものが生まれたような印象を受けます。
で、ここで生み出されたスタイルが、その後も引き継がれている、と言っていいでしょう。
そういう印象で捉えられることは少ない作品だとは思いますが、このグループの中で大きな意味を持つ作品だと自分は考えています。
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