曲と歌詞⑬

やはり曲と歌詞との関係を語る上で、この方は外せないだろうな、と感じている方がいますので、その方の作品ついて書きたいと思います。

基本同時代的に聴いた曲ではない曲を取り上げることになると思いますので、同時代的に聴いている方からすると、「えっ?」と思われる部分があるかもしれませんが、その点はご容赦ください。

今から時を遡る訳にもいかないので(笑)。

まずこの方の代表作品と言えば「木綿のハンカチーフ」ですね。

って書いた方の名前抜けてますね。松本隆さんです。

この曲の逸話は筒美京平さん亡き後に知ったのですが、そもそも「曲が付けられるなら付けてみろ」といった感じで書いたそうなので、そりゃあ「詩」として独立しているのは、当たり前と言えば当たり前です(笑)。

確かに曲を前提として作られていないんですよね。どこがBメロに当たるのか、どこがサビにあたるのかが判然としないし、作曲者側からしたら、やはり曲は付けづらいと思います。

最初は詩を渡された筒美京平さんも怒ったらしいですが、実際にはすぐ作ってしまい、それから先に「詩先」を積極的にやるようになった位、やはり難しいし、この難題をクリアしたからこそ、その後の筒美京平さんにも影響を与えたのかと思います。

もちろん詩先であるということもありますが、この詩が凄いと思うのは、時の経過を比喩ではなく、直接的に書いているところです。

普通に「詩を書く」という感覚からすれば、「半年が過ぎ」で半年が過ぎたことを表現しないですよね(笑)。どうやって半年が過ぎたかを表現するのに「工夫」をするのが普通なのに、ただ言葉で書いて終わりにしてしまう、この手法はある意味「詩」というもの自体を突き放しているんですよ。

感覚的には「現代詩」に近いかもしれませんね。

まあこの方の場合、他にもこういうパターンがあるので、明日はその曲に触れたいと思います。


ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。