鍵盤楽器⑪
今日は今の音楽では欠かすことの出来ない、ある意味最も重要な楽器のようになってしまった、この鍵盤楽器について書きたいと思います。
電子楽器です。
前にも軽く触れたのはMIDIコントローラーとしての役割でしたが、今回は違います。
あくまでも楽器としての存在です。
もちろん色々な種類があるのですが、今使われている楽器はほぼ全て同じと言って良いでしょう。
形こそ違えど中身は一緒ですから。
元々は別の楽器だったんですよ。段々垣根が低くなっていった印象です。
例えばYAMAHAのGX-1、公式サイトだとエレクトーン(YAMAHAの電子オルガンの登録商標)となっていますが、中身は完全なシンセサイザーです。
今のシンセと違って、音が作れました。エレクトーンなのに(笑)。
そもそも元々が電子音ですから、楽器の違いというより役割の違いと言った方が良かったんだと思います。
ただ、やはり昔のものは技術的な制約があって、出せる音に制約があったから、楽器による差が大きく、それが楽器自体のイメージの差に繋がっていたんだと思います。
ただやはり技術の進歩がこの状況を変えていくことになります。
PCM音源です。
細かい説明は割愛しますが、基本サンプリングした音を鳴らすだけなので、どんな形をしていようが、その音を選べば同じ音が鳴ります(厳密に言うとサンプリングの仕方が同じではないので同じ音ではありませんが、大体同じ音、という意味合いです)。
間違いなくこの音源によって電子ピアノや電子オルガンの音は飛躍的に向上したと言えるでしょう。
もちろん昔の音がいい、という方もいらっしゃるとは思いますが。
ただ、明らかにシンセサイザーは退化しました。
元々合成した音を鳴らすものだったのに、安易なPCM音源の採用により、音をシンセサイズすることの出来ない楽器になりました。
今自分の使っているシンセも、音をシンセサイズする機能は無く、ただ単にプリセットされている音を鳴らすだけのものです。
その機能は楽器本体からはほとんど消え去り、DAWソフトに中に内蔵されていることの方が多いと思います。
でも、いいんですよ、その方が楽ですから(笑)。
音を作る楽しさ、というのもあるとは思いますが、それは音楽とは別物でしょう。
で、この楽器がその後の音楽の在り方を変えた、と言っていいほどのものになる訳ですが、その話はまた改めて。