アレンジの時代性㉒
色々と書いて来ましたが、そろそろまとめに入りたいと思います。
年代別に書くと分かりやすいような気がするので、洋楽と日本の音楽を並列的・年代別に書こうと思います。
もちろん例外も多いので、あくまでも「流れ」です。
60年代前半
日本:懐メロ(大編成のオケ、うるさい割に単なる伴奏の場合が多い)
洋楽:バンドサウンドの成立(The Beatlesの影響大、但しまだバックは伴奏の域を出ない)
60年代後半
日本:変化なし
洋楽:楽器を強調したサウンドへの変化
70年代
日本:歌謡曲の成立、アレンジはごく一部を除き懐メロの踏襲に近い
※この場合の歌謡曲はニューミュージック含む(アレンジ上はほぼ歌謡曲と大差なし)
洋楽:歌と演奏とのバランス確立
80年代
日本:「CITY POP」の確立、試行錯誤の連続
洋楽:シンセによるバンドサウンドの多様化、black musicとの融合が始まり、リズムが重視される傾向が現れる
90年代前半
日本:バンドサウンドが主流化したものの、画一的なアレンジであり、基本は「歌と伴奏」に近い作品が主流。音自体は違うが洋楽の60年代前半の状況に近い
洋楽:black musicの一般化、融合
90年代後半
日本:ミュージシャンのコンセプトに基づいた編曲が一般的化する。リズムが重視され始める
洋楽:集約されつつあった音楽ジャンルが逆に拡散を始め、アレンジ自体も多様化
90年代末
日本:「自作」の増加=職業作曲家の衰退による音楽自体の変化及びそれに伴うアレンジ自体の変化
洋楽:メインストリームの希薄化
2000年代
日本:DAWの一般化による演奏者、編曲者の困窮
洋楽:メインストリームが消滅したため記述困難
という感じかと。
これにてこの長い連載も終了といたします。
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