鍵盤楽器⑭
まだまだシンセは続きます。と言ってもこれで終わりにしますが(笑)。
恐らく最後のシンセサイザーにおける変化はPCM音源の普及でしょう。
もちろんデータをそのまま使うのは無理なので加工はされていますが、楽器の音をデジタル化して、その音源を鳴らすシンセサイザーです。
基本的には今のシンセサイザーと同じです。
もはや音を作る楽器ではありません。理論的にはどのような音でも出せますから。サンプリングされた音を鳴らすだけの楽器です。
シンセサイザーといいつつシンセサイズしない楽器がここで生まれました。
もちろん、DAW化が進んだ現代においても、ライブでキーボードプレイヤーが色々な音を出せる訳で、実に便利な楽器です。
ただこの楽器、何か新しい音楽を生み出すことはありませんでした。
こうなるともはや生楽器の代用品でしかないんですよ。だから新しい表現が生まれることはありません。既存の楽器の単なる模倣でしたありません。
もちろん役に立つ存在でしょう。ただそこに創造性といったようなものは存在しません。
特にDAWの普及した今では、単にMIDIデータをDAWに取り込むだけのものにしかなっていないように思えます。
今では大半の方、MIDI送信用キーボードとしてしか使っていないようにも思います。
もはや楽器ですらないですよね。
単にデータを打ち込むための道具にしかなっていません。
まあFM音源だろうがアナログシンセの音源も何でも使えるので便利な道具です。
ただ単なる道具です。
まあ作曲する時は便利なんですけどね。スピーカーなりヘッドフォン付けるだけでいいので、セッテッィングは楽です。
ただそれ以上でもそれ以下でもないんんですよね。
そう考えてみると、やはり楽器としての優位性は、アナログシンセや昔のデジタルシンセの方が高いんだと思います。
何だか後味の悪い話ですが、これ以上書きようがないので、シンセサイザーについての記事はここまでにしたいと思います。