作曲の方法論⑧
ノンダイアトニックコードの使用について、もう少し考えてみることにしました。話がそれっぱなしのように思われるかもしれませんが、音楽にとって必要な要素に繋がります。
「どのような楽器を使うか」は考えずに、と以前の記事で書いていましたが、実はここって意外と重要な点だからです。
「日本の作曲家」シリーズでも書きましたが、鍵盤楽器を使うと「理論的に齟齬のない作品」が出来やすいのに対し、ギターを使うと比較的自由な作品が出来やすい、ということを書きました。
この辺もヒントになると思います。
実は一定レベル以上のギタリストであれば、鍵盤が全く弾けない、ということはないですし、一定レベル以上の鍵盤楽器が出来る方であれば、その気になればギターも基本的なコード位は鳴らせるという場合が多いです。
「出来ません」とは言いますが、それは「出来ない」のレベルが違うか、「その気」にならないか、「食わず嫌い」かのどれかだと感じています。
大半は「その気」にならないからでしょうね。他の楽器を使う「必然性」はない訳ですから。
ただ鍵盤楽器を使って作曲する方が、ギターで作曲することはあまりないと思います。やはり鍵盤楽器は「論理的に出来ている楽器」ですから。
ただギタリストが「鍵盤楽器」を使って作曲する例は比較的多いように感じています。やはり鍵盤楽器は「分かりやすい」ですから(笑)。
ギタリストはギタリストなりに「枠にはまりやすい」という特性を持った楽器です。特にロックの世界ではギターソロでスケールを使う場合が多いですから、そういう世界に浸りきってしまうと、作品がパターン化する危険性があります。
その回避のために「鍵盤楽器」という手法で作曲をする、ということが比較的多いと考えています。
で、実はこのことが大きな意味を持ちます。作曲をする上で、ギターでコード進行を作るというスキルと、鍵盤楽器でコード進行を作るというスキルの2つを持つことになることになりますから。
実際にはギタリストが鍵盤で作っている曲は鍵盤楽器だけで一曲作っている場合が多いように感じられますが、そこにはギタリストならではの耳の感覚があるので、曲自体にも違いが出てきます。
もちろん、ギタリストの作る曲が上で、鍵盤楽器奏者の作る曲が下、ということでもありません。
その点について明日書きたいと思います。
ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。