SONGSー今井美樹
本当は違う話を書く予定だったのですが、土曜日にSONGSで今井美樹さん特集を見て気が変わりました。
3名の方が今井美樹さんの曲を編曲する、という特集で、なかなか興味深い内容だったので。
曲は
「PRIDE」ー編曲:服部隆之さん
「幸せになりたい」ー編曲:挟間美帆さん
「瞳がほほえむから」ー編曲:千住明さん
という感じでした。
挟間美帆さんという方はこれまで良く聴いたことが無かったのですが(基本JAZZの編曲家というのはビッグバンド前提っぽくって苦手)、とても上手いアレンジでした。
まずボサノバ風のアレンジにしたところが一番のポイントですね。この曲をいきなりジャズ濃度濃くしたら、今井美樹さんの歌と合わないと思います。
あと、楽器全てを鳴らすパートもありますが、どちらかというと少なくて、楽器を入れ替えながら弾かせているアレンジがいいです。こうすると、楽器全てを鳴らす所が生きてくるんですよね。あれ位の人数だと効果的だと思います。
千住明さんの「瞳がほほえむから」、これも上手いですね。フルオーケストラだと、特にポピュラーを演奏した場合、楽器鳴らしすぎて、曲よりオケを聴かせているんじゃないか、となる場合が多いですが、抑制が効いていて、原曲の持ち味をしっかり活かしていました。
やはりこういう時のポイントは「金管の使い方」だと思います。バラード系の曲でトランペットやトロンボーンを多用すると、どうしても音の強い楽器なので、過剰に派手になったり、うるさくなりがちになります。
ほとんどこの人達は休んでたんじゃないですかね。ほぼいるだけ、という印象です。
でもそれでいいんですよ。別に全員が演奏する必要はないし、あくまでも「今井美樹さんが歌っている状況で今井美樹さんの曲をどうアレンジするか」、がテーマなのでボーカルが最優先なんですよ。
テーマを良く理解している、上手いアレンジでした。
で、最後に服部隆之さんの「PRIDE」ですが、これはないなあ、という感じです。まずイントロからして「自己主張の塊」のようなド派手なアレンジ、Aメロの木管も印象が強すぎて今井美樹さんの歌を邪魔してしまっている、Bメロの頭辺りはいいんだけど、2コーラス目のAメロのストリングスの使い方といい、自己主張が強すぎる印象です。トランペットにしてもトロンボーンにしても明らかに使いすぎです。
完全にテーマから外れてしまっているアレンジに聴こえます。まあ割とそういうアレンジが服部隆之さんの好みなんでしょうが、半沢直樹の自作曲でやる分にはそれで良くても、やはりこういう企画ではテーマに添わないでアレンジしてしまうと、ただの自己主張の強い方、としか思えなくなってしまいます。
まあ勉強にはなりましたが(笑)。