空間認識⑫
そういえば「日本のR&B」から「空間認識」という概念が日本に生まれた、ということを書いたにもかかわらず、何故かキリンジから話が始まってしまった、ということになってしまいました。
なので今日は「日本のR&B」を取り上げたいと思います。
「ケミストリー」の「PIECES OF A DREAM」です。何故この曲、かと思われるかもしれませんが、それはやはりこの曲、というよりはこのミュージシャンが「日本のR&B」の典型例だと考えているからです。
もちろん批判的な意味は全くありません。むしろこの曲にしろ、「You Go Your Way」にしても好きな曲です。ついでに「My Gift To You」も好きな曲です。
昔良く「You Go Your Way」をカラオケで堂珍さんと川畑さんを歌い分けて歌ってました。
結構ウケ狙いでやっちゃうんですよね。
って全然関係ない話ですみません(汗)。
話戻します(笑)。
ただ基本的にこの二人に元々「R&B」いう意識はあまりないと思うんですよ。もしあったとしても音楽にそれが表れているようには感じません。
完全に「J-POP」という本体に「R&B」的なリズムを持ってきて合わせたような音楽です。例えば初期のMISIAさんだと、やはり「日本のR&B」と言える部分もありますが、ケミストリーと比べるとずっと「R&B」的な要素が強いと思います。少なくとも向こうの「R&B」を意識して作っているでしょう。
もっと言うと宇多田ヒカルさんの方がずっとケミストリーより「R&B」的な要素が強いです。
ケミストリーの場合だと、上に乗っかっているメロが完全「J-POP」ですから。
でも逆に、「空間認識」という観点からすると、綺麗にかつ上手く楽器の音が配置されていて、個々の音が聴きやすい音楽に仕上がっていると思います。
むしろR&Bテイストの強い曲より楽器の音は聴きやすいです。というのもやはり「歌」と「リズム」が個別に存在していて、かつ両方とも聴かせようとしているからだと考えています。
そうするとやはり各パートの音を「立てる」必要があるから、結果的に「空間認識」が上手い曲に仕上がるのかと。