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今日は徳永英明さんの「Vocalist」シリーズに書いてみたいと思います。
というのは編曲が坂本昌之さんだからです。
散々書いてきていますが、この方の作品はやはり凄いんですよ。代表作は言わずと知れた平原綾香さんの「Jupiter」ですが、個人的にはJUJUさんの「Distance」がベストだと思います。ちょうど今聴いているJUJUさんがカバーしている「There will be love there-愛のある場所ー」も、この方の編曲のはずです。
ほぼ凡作はないと言っていいと思います。
ただ、この「Vocalist」だけは正直あまり好きになれないんですよね。
狙いとしては正にカバーで作品の別の魅力を引き出そうとしていて、その姿勢には共感するんですよ。ただ、ちょっと狙い過ぎたようなイメージを感じています。
違いを出そうとする姿勢が強すぎて、こんな風にしてしまうの?、と感じる作品が多いんですよ。
何だか策士策に溺れる的なイメージです。
もちろんこれは自分の「主観」でしかありません。これ位やってほしい、という方が多かったからこそ、あれだけ長く続く、いわば「シリーズもの」になった訳で、魅力を感じる方がそれだけ多かったことは間違いないでしょう。
そういう意味だと紛れもなく、策士の狙い通りの作品と言ってよい作品と言ってもいいんでしょうね。
こういう企画って万人受けする必要はないんですよ。というかこれは音楽全般に言えることだと考えています。
万人に受けなくても、一定数以上の聴き手がいれば充分ですから。
日本で一番売れたアルバムは宇多田ヒカルさんの「First Love」ですが、売れた枚数は765万枚、日本の人口なり世帯数を考えた場合、相当数の方が買っていることになりますが(ちなみに自分の家にもあります)、それでも買っていない方の方が多いことが分かります。
サブスクの再生数が何億回という曲もありますが、何回も聴いている方がいるからこれだけの回数になる訳で、実際に積極的に聴いている方の数はそれほど多くはないでしょう。少なくとも765万人が積極的に聴いていることは考えにくいと思います。YOASOBIのチャンネル登録者数を見ても338万人台ですから。
まあこれだけ聴かれる、という方も少ないでしょうから、驚嘆に値する数字ではあります。
ただ音楽を制作する上で、万人受けを狙う必要はないんですよ。むしろ尖っていた方が刺さる方には刺さるから、その方が実は音楽としてはいいんだと思います。
そういう意味では「Vocalist」、成功作と言っていいんでしょうね。自分は好きではありませんが、それでいいんです(笑)。
段々このテーマも飽きてきたので、一旦ここから離れ、別のテーマに移りたいと思います。
というよりこの記事を書いていて思いついただけなんですが、売れていたり、一般的な評価が高くても、自分自身にとって「苦手」なものってあると思うんですよ。
まあ敵を増やすだけかもしれませんが、敢えて明日からはこのテーマで行きたいと思います。