アレンジの時代性④
時代性の一つの要素として、シンセの使い方、という点があると思います。どちらかというと、ある時期までシンセって「シンセ使ってます」的な使われ方をしていたと思うんですよ。
洋楽だと80年代前半辺りから普通にシンセが使われるようになってきたと感じていますが、日本の場合は割と遅いようなイメージです。
いい意味でも悪い意味でもYMOの存在が大きかったのかもしれません。
やはりシンセと言えば小室さんですよね。いい意味でも悪い意味でも。
小室さんも最初の内は「シンセ使ってます」だったように感じますが、ギター弾くようになってから、シンセの使い方が変わったと思うんですよ。
それが恐らく94~95年辺りだと思います。globeとか華原朋美さんとかあの辺より少し前位のイメージです。
結構キーボード弾いている方ってギタリストコンプレックス的なものを持っている場合、多いんですよ。
やはり目立ちませんから(笑)。
基本キーボードを弾いていると居場所が固定されるので、あまり動けません。
だからこそ小室さん、あれだけ機材並べていたんじゃないかと(笑)。機材があれだけあれば目立ちますからね(笑)。
まあ実際には、ギター弾くようになった、というのはネタみたいなもので、プロデュース活動が中心になってきたことが一番大きいのだと思います。まあプロデューサーが出てきてギター弾く必要はない訳で、「目立ちたかった」という要素はあったのでしょうが、やはりプロデュースが中心になってくると、やはりそのアーティストを「どう聴かせるか」が大切になってくるので、あまりシンセシンセした音を使うと、「小室サウンド」が「これまでの小室さんの曲」になってしまうでしょう。
この辺の影響は少し前になりますがTRF辺りから出てきていると思います。あのサウンドは単に「ダンスをするための音楽」ではないダンスミュージックを目指していたと思うんですよね。
しかもプロデューサーである以上、好きなものを作る、ということではなく、そのアーティストをいかに売れさせるか、という課題もある訳ですから。
そうすると、やはり「いかにもシンセ」では限界があるんだと思います。誰が聴いてもしっくりくる音楽を作るには、やはりシンセの使い方を変えざるを得なかったのかと。
で、シンセが「いかにもシンセ」という使い方をされなくなれば、当然アレンジにも影響が出てきます。
シンセの役割が変われば、当然使われ方も変わります。そして程度の差こそあれ、シンセが現代のJ-POPにおいて大きな役割を占めている以上、作品のアレンジにも大きな影響を与えます。
この先は、いわゆるテクノポップ系の音楽も、アレンジ自体が大きく変わっていったと思います。
Perfumeとか聴いても、独自の音楽性を持っているのは確かですが、アレンジ自体はいわゆる「奇抜」なものではなく、この時代では比較的オーソドックスですから。
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