好きなミュージシャン(洋楽編)③
次は「Billy Joel」です。
普通過ぎてすみません...。
でもやはり好きなものは好きなんですよね(笑)。
ただやはりへそ曲がりというか、一番嫌いなアルバムは「An Innocent Man」です(笑)。
何だか妙な明るさとか楽しさやはじけ方がこの人の持ち味と違うような気がして違和感を感じます。
やはり「Turnstiles」から「52nd Street」の3枚に加えて、「The Nylon Curtain」と言ったところでしょうか。
3枚選ぶとしたら「Turnstiles」が外れて、「The Stranger」が入るようなイメージです。
「Turnstiles」は「Angry Young Man」が唐突な印象なんですよね。もちろんあまりに有名な「New York State Of Mind」もいい曲だし、「Miami2017」や「James」も好きな曲ですが、やや粗削りで、アルバムとしては散漫な印象です。
「セルフプロデュース」故の限界なのかもしれません。
「52nd Street」が一番有名なんでしょうね。バックミュージシャンも豪華だし、何しろ日本人が一番好きな「Honesty」が入ってますし。
確かに自分も「Honesty」は好きですが(笑)、ただ「単曲力」が他の2枚と比べて低いような気がしています。
だからこそアルバムとしてのバランスがいい、という側面もある訳ですが(もしかすると、アルバムの「方向性」の方をより重視したのかもしれません)。
ただやはりそこに入っている曲も重要なんだと思います。「The Stranger」や「The Nylon Curtain」は単曲力も「52nd Street」より強いし。
でまあ「The Stranger」を書いても名盤として有名な分、書きごたえがないので、敢えて何故か売れた前後2枚(スタジオ盤を指しています)のアルバムに挟まれて、いまいちぱっとしないように見えてしまう「The Nylon Curtain」について取り上げたいと思います。
このアルバムで一番有名な曲は「Pressure」でしょうが、あまり好みではありません。多分このアルバムの中で一番好きじゃないです。
派手ではあるし、受けやすい曲だと思いますが、それこそがネックです(笑)。
一曲目の「Allentown」がやはりポイントだと思います。メッセージ性が強く、このアルバムがどのようなアルバムかを、ここで宣言しているような印象です。
でも今聴くと、この曲、今のアメリカ合衆国にそのまま繋がっているんですよね...。それが今噴き出て今の混乱が生まれているのかもしれません。
で、このアルバムの真骨頂は「Goodnight Saigon」だと思います。この当時すらこの曲をリリースすること自体、チャレンジングだったと思います。
やはりあの戦争のダメージはあの国にとって大きかったし、今でもまだ引きずっていると言っていいと思います。
ただ「戦争反対」というのは簡単です。「戦争賛成」なんてそのまま言う方はいませんからね。全ての戦争は「正義」を理由にして始まりますから。
この曲の良さはその「目線」にあると思います。もちろんBilly Joelがあの戦争に派兵された訳ではありませんが、あくまでも一兵士の目線で書かれている、だからこそ「悲劇性」が高まるのかと。
終末が暗示されるイントロも好きです。曲・詩・アレンジに一貫性がある、このことがこの曲が名曲でありかつ名作たる所以でしょうし、このアルバムの「軸」になっているのだと思います。