作曲・編曲124
一昨日何気なく取り上げたのですが、少し気になったので今日はこのテーマです。
「Somewhere」ではありません。YOASOBIの「HEART BEAT」です。
YOASOBIの作品の中では苦戦と言ってもいいかもしれません。まあこれで苦戦なんて言うとおかしな話ですが、YOASOBIの曲にしては、という意味合いです。
コード進行はやはり4536進行とJust The Two of Us進行の組み合わせが主体です。Ⅳの代わりにⅡmを使っているところが多いですが、基本は変わらない。
ただこの曲以外にもこのパターンはYOASOBIの作品では多い訳で、それが苦戦の理由になるはずがない。
で、何が違うか考えてみたんですよ。
やはり尺が長い。5分後半の曲、というより5分台の曲自体がこれだけでしょう。
もちろん世の中にはいくらでも尺の長い曲はあります。クラシックや現代音楽、ジャズとかは除いても、昔の曲は5分台~6分台は当たり前でした。
「Somewhere Near Marseilles ―マルセイユ辺りー(宇多田ヒカルさん)」の10分超えは最近では例外でしょうが、確か最近尺が短い曲が多いのは確かです。
でも違和感なく聴けるんですよね。
でもう一度「HEART BEAT」を聴くと、その理由が分かるような気がします。
尺の短い曲の作り方をしているんですよ。尺が短いとどうしても展開を激しくしないと、知らない間に曲が終わってしまう。
全力疾走しなけばいけないイメージ。
ただ尺の長い曲でこれをやっていると、どこを聴かせたいのか分からなくなります。
やはり尺が長い場合、緩急を付けないと、聴いていて疲れてくるものです。
だからそういう曲であれば、「無駄」があった方がいいんですよ。
まあ「アイドル」があれだけ売れたから敢えてこういう作品を制作したのかもしれまないので、その辺は微妙な気もしますが。
「イメージの固定化」も怖いですからね。