音楽は儲かるのか㊷
今日は予告通りカバーするのがいいか悪いか、微妙な線の曲について書きたいと思います。
中島美嘉さんの「雪の華」です。
中島美嘉さん、個人的にはボーカルとして好きなのですが、やはりピッチ自体は良くないんですよ(あくまでもピッチの話で、歌が上手い下手の問題ではなく)。
実際最初のベスト盤、「STARS」は録り直しているが故に、録り直していない2枚目の「CRESCENT MOON」を聴くと「あれ?」と思う方が多いでしょう。
やはり最初の時と比べて歌が上手くなったことは間違いありませんが、ご本人もおっしゃっている通り、いわゆる「歌の上手い歌い手」ではありません。
だからこそカバーしたくなりやすい。
中島美嘉さんより高い精度で歌える方はいくらでもいると思います。
なら、自分が、になりやすい。
ただやはり「オリジナル」は強いんですよ。
みんなが知っているからです。
どうしてもそこと比較されます。
で、聴きなれた作品の方が耳に優しいです。
それが標準ですから。
歌が上手けりゃいいものでも無ければ、演奏が良ければいい、というものではない。
で、作り手側もオリジナルを意識しやすい。その方が聴きやすいし、どうしてもオリジナルを知っている分、無意識のうちに寄せて作ってしまう。
でもその時点で実は負け確定です。
オリジナルは一度捨てて考えた方がいい。
カバーが優れた曲、実際には結構多いですが、オリジナルから離れたものの方が評価されやすいし、実際オリジナルに寄せて制作した作品で評価された例は知る限り全くありません(セルフカバーは別として)。
例えばWhitney Houstonの「I Will Always Love You」、カバー曲ですが、そのことを知らない方の方が多いと思います。
完全にオリジナルを捨ててますからね。さすがDavid Fosterですが、やはりカバーが評価されるにはこれ位のことをやらないと難しい。
でも「雪の華」、そこまでやっているカバー作、自分自身は知りません。
これは腕次第なんでしょうが、たぶんこれが出来る方はオリジナルでも評価されるような気がします。
ではそれでもカバーが拡散に有効な理由について、明日改めて書いてみたいと思います。