作曲・編曲㉔
次は落ちサビです。
これもあっても無くてもいい部分で、実際にない曲は多いです。
Bメロや大サビと比べても使われる頻度は遥かに低いでしょう。
特に最近は使い方が難しくなっているんだと思います。落ちたままで終わらせる訳にはいかないから、ほぼほぼラスサビを作らなくてはならないでしょう。
昨日触れたJUJUさんの「Distance」にしても、あのハープ系の音を上手く使ったアレンジ、実に見事なのですが、やはり曲の尺は長いですよね。
まああのドラマ仕立てのMVは更に長いけど。最後にエンドロールまで長々と流れるし(笑)。
ここは構成を上手くしないと、どうしても尺は長くなります。
その点、しつこいかもしれませんが、LiSA×Uruの「再会」は良く出来ていますよね。
イントロもなく、1コーラス目でBメロなしでいく分、大サビもある曲なのに、落ちサビを入れても5分以内で収まっています。
で、編曲のポイントですが、ここは意外と重要です。
ただ落とせばいい、という訳ではないんですよ。
下手をすると、「何でここだけ音数が少ないの?」になりかねません。
基本どこかのパートを残し、徐々に上げていく、というのが基本です。というのも、ラスサビに向けて作る部分なので、上手くラスサビに繋げないと、意味のない部分になるからです。
それが出来ないと単なる「音が少ない部分」にしかなりません。
ただ前にも触れましたが、JUJUさんの「Distance」が上手いのは、やはりここでこれまで使っていない音色を使っているところにあります。
場違いな音色を持ってくるとおかしな曲になるので、この辺はセンスがないと難しいと思います。
ただ、効果的な音色が思いつけば、ここは使うべきです。
特に王道系バラードだと、効果が絶大です。
これまで聴いていなかった音色が出るとどうしても人間の耳は引き付けられますから。
ある種の「違和感」と言ってもいいでしょう。
これまでに使ってはいないものの、曲との親和性の高い音色を使うと、その「違和感」がわずかに生じる状態になります。
そうすると当然、人の耳はそこに意識がいきますから。
曲との親和性が低い音色がダメだというのも同じ理由です。そういう音色を使うと大きな「違和感」が発生してしまい、ただ単に突拍子もない音にしか聴こえなくなるからです。
基本落ちサビは「繋ぎ」の部分なんですよ。
だからこそ、どれだけイメージを崩さないで、かつ耳を惹きつけられるように「落とすか」がポイントになります。