作曲の方法論64
「頭の中のものを具現化する」という方法の残り一つは「オケ先」です。
もちろん前から書いている通り、全パートが頭の中に浮かんできてそれを譜面に起こすだけ、という高度なことを書いている訳ではありません。
それが出来る人は100年に一人でるかでないか、位かもしれません。
いわゆる「天才」と呼ばれる方でもそういう書き方をすることはまずないでしょう。
そういった難しいことを書いている訳ではなく、単に頭に浮かんだフレーズをどう使うか、ということを書いています。
もちろんこれは純粋に「頭の中」と言えるか、というと疑問に感じる点もあります。
「頭の中」のものを具現化した後に、それをどう組み合わせるか、ということを考えて作品を作る、ということは「一旦頭の外に出す」ともいえるからです。
ある意味「頭の中にあるものを具現化する」方法と「頭の中にないものを創作」する方法の混合パターンとも言えるのですが、比率で言うとやはり「頭の中にあるものを具現化する」という行為のウェイトの方が圧倒的に高い、ということを考えて、こちらに分類しています。
まあ徹頭徹尾同じ方法で作る、ということは実際にはなくて、ほぼ「頭の中」か、ほぼ「頭にないものか」という違いだと考えています。
紅白に鼻唄で出た方もギターに合わせて歌った訳で、「ギター」という「外部」がやはり存在しているんですよ。
もちろん、一旦「外部」に出た後で、もう一度「頭の中」に戻らないと「混合パターン」になるとは思いますが、またそれを再構築する、という行為が「頭の中」で行われているとすれば、それは「頭の中のものを具現化する」と言って良いかと考えています。
前置きが長くなりましたが、この長所は
・頭の中のもので制作されたものがどのパート、どの部分にあるかその時点では明確ではないが故に、比較的自由に作品の構築が出来る ※頭の中で作られたものが「主旋律」である必要はない
・「偶発性」が生まれるために、制作者側が想定していない曲が生まれる可能性がある
・頭の中にあるものが多ければ、それだけ多彩な曲を書ける可能性がある
・ある程度パートが出来上がっているのでアレンジが楽
短所は
・「頭の中で作られたもの」を繋ぎ合わせる能力がないと出来ない
・頭の中にあるものが少なければ「偶発性」も生まれにくく、多彩な曲も書けないし、アレンジも楽にならない
・メロ先やコード先より工数がかかる
と言ったところでしょうか
もちろん、ごく一部の「頭の中で徹頭徹尾制作できる天才」はこの例に当てはまりません。
はっきり言うと、決して簡単な方法ではありませんが、「頭の中のものを具現化する」という方法の中では最も「オリジナリティ」を生み出せる方法だと考えています。
やはり一旦「外部」を経由する、そのことがこの方法の「キモ」になる部分だからです。
結局のところ、「頭の中で出来ること」には限界がありますから、このように一旦「外部」を経由することによって、選択肢が増える、と考えています。