曲と歌詞⑳
今日まで作詞者でもないのに歌詞のことを書いてきました。慣れないことやるとやはり疲れますね。
だったら書かなきゃいいだろ、と言われたらそれまでですが(汗)。
ただここまでいくつかの歌詞を取り上げてきて気付いたことがあります。
取り上げた歌詞を書いた方、全て「ミュージシャン」なんですよね。
宇多田ヒカルさんがミュージシャンでないと思っている方はまずいないでしょう。で、トータス松本さんがミュージシャンではなく俳優だと思っている方もごく少数だと思います。
鬼束ちひろさんを「おかしな人」と思っている方もいらっしゃるとは思いますが、「ミュージシャン」でない、という方もいらっしゃらないと思います。
で、松本隆さんがはっぴいえんどのドラムだったことを知っている方も多いと思います。その後一時期プロデューサーをやっていたことを知っている方は少ないでしょうが、ミュージシャン(だったに近いかもしれませんが)であることは大抵の方は知っていると思います。
で、岩里祐穂さん、この方を知っていても「作詞家」と思っている方が多いと思いますが、元々はシンガーソングライターです。
これって結構重要なところだと思うんですよね。やはり音楽を知っているかどうか、というのは大きいんだと思います。
基本「詩先」というパターンは少ないですから、音楽に対する一定の知識はやはりあった方がいいということなんでしょうね。
もちろん、一定レベル以上の作曲者であれば、大抵の詩に曲を付けることは出来ます。前に上げた鬼束ちひろさんも「曲先」ではないそうですし、特段難しいことではありません。
ただ、今の流れだと、基本的なフローが
作曲ー作詞ー編曲
という流れなので、確実に音楽を知っている方が有利になると思います。
もちろん、これまで上げた方でも作曲から編曲まで全部一人でやっているのは宇多田ヒカルさん位ですし。シンガーソングライターでも編曲まで自分で行なう方は限られています。
ただ基本が「分業制」である以上、一定以上の音楽的センスは必要だと考えています。アマに多いのですが、音楽的センスがない方が歌詞は、ワンパターンになりやすい、というよりテンプレートから作ったような歌詞になる傾向が強いです。
一番まずいと思うのは、字脚揃えて、しかも歌詞にAメロ、Bメロ、サビとか指定して、作曲募集、と書いてくる方。正にテンプレ歌詞でしょう。ただパターンに単語当てはめているだけですから。
曲を作る側からすれば、余計な指定は曲の制作上、邪魔にしかならないんですよ。
そんなことをしているのであれば、しっかりした歌詞を作る方がよほど重要です。
で、何故音楽を知っていることが重要かというと、正にこのことが分かっているからだと考えています。
曲を作る側はどうにでもしてくれる、ということも分かっていれば、曲の意図を理解して、歌詞を制作することが出来るんですよ。
そう考えていくと、やはり歌詞を書く側にとっても、音楽を知っていることは、やはり重要なんだと思います。
といったところで、このテーマからは一度離れ、別のテーマについて書いていきたいと思います。
ちょっと無理やりな終わらせ方のような気もしますが(汗)。