楽器の配置③
すみません。「楽器の配置」というタイトルなのに、ボーカルの配置の話になっていますね。
でも、基本ボーカルだけが各パートの中で特権的な地位を与えられている訳ではないので、今日もボーカルの話を書きます。
「ボーカルがセンター」と思うのには当然根拠がある訳で、まずはその点から再考したいと思います。
これは「ポピュラー」の「歌モノ」だと、ボーカルが主旋律であり、だからこそセンターに置くべき、ということを意味していると考えています。
まあそれほど間違ってっはいないですよね。確かにそういう場合が確かに多いですし、そのように考えれば、センターに置く、というのも自然なことです。
ただ、裏を返すとボーカル以外の音を意図的に聴かせたい時には、ボーカルがセンターではいけないんですよ。
例えばボーカルと他の楽器のデュオの場合、両方とも対等に聴かせたい時は、それぞれのパートをある程度左右に振るのが「自然」です。
ただ、ここで考えるのは、ボーカル=主旋律を奏でるパート、と考えること自体が音楽の幅を狭めるのではないか、という点です。
その考え方自体がかつての「モノフォニー」の延長線上にあるような気がしてなりません。
何故、折角手に入れたものを投げ出すのかが、正直不思議なんですよね。
まあそれ位「慣れ親しんだもの」の影響から抜け出すのが難しい、ということなのかもしれません。
やはり日本の音楽教育って、歌と伴奏から入るじゃないですか。
他の国の音楽教育事情までは詳しく知りませんが、日本の場合、この「主旋律」と「伴奏」という思考を音楽の中心に置いて、「音楽」の授業を成立させているから、何も考えずに「ボーカルがセンター」になってしまうのかと。
で、日本の音楽教育は「聴く」ことを軽視しているように思えます。だから多様な音楽に触れることもないし、思考が単純化しやすいと考えています。
ボーカルがセンターかというと、違う曲も結構あるものです。まあセンターの曲が多いのも間違いないとは思いますが...。
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