作曲の方法論⑪
今日は鍵盤楽器奏者の作る曲の作る曲について考えていきたいと思います。
あくまでもこちらも「傾向」です。例外はいくらでもありますから(笑)。
・ノンダイアトニックコードの使われ方に規則性が強い
・どの借用和音が使われるかの頻度にも明らかな傾向がある
・コードの根音が調性外の場合も規則性が強い
・コード進行の構成が複雑になりやすい
・曲の構成も複雑になりやすい
と言ったところでしょうか。
これにももちろん「意味」があります。ギターならポジション変えればそっくりコード自体が変わるから、「調性」に対する意識が薄くなりやすいのに対し、鍵盤楽器の場合、調性によって押さえる黒鍵のパターンが規則的に増減するため、どうしても調性を意識しやすいです。
その上、調性の遠近感も見えやすいです。
なので転調一つとっても、ギタリストのような大胆な転調は少なくなり、関係調への転調の頻度が高くなるように感じられます。
規則性の強い楽器だから、その楽器を使用して制作した曲も規則性が強くなりやすい、ということが言えると思います。
もちろん例外もありますが、その例外も原因は同じところにあります。鍵盤楽器奏者だと、どうしても「音楽理論」に対する意識が強くなるからです。ギタリストとは全く違う感覚で、楽器自体に規則性が強いため、「音楽理論」との親和性が高いと考えています。
これはどちらがいい、という話ではなく、楽器の特性に由来するものと考えています。「音楽理論」は所詮「ツール」ですから。
そして、規則性が強くなりやすいが故に、そこから「逃れよう」という意識がギタリストより強くなりやすいように感じます。
だからコード進行なり音楽の構成が複雑になりやすい、と考えています。
やはり曲を書いていると「似た曲があるんじゃないか」とかって不安になる時ってあるじゃないですか。その傾向が規則性が強い鍵盤楽器を使用している方の場合、「曲の複雑化」ということに繋がりやすいのでは、と考えています。
この点については改めて取り上げたいと考えています。
ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。