ミュージシャン④宇多田ヒカル~29 「二時間だけのバカンス」
これは不思議な曲ですね。宇多田ヒカルさんらしくないコード進行というか、ノンダイアトニックコードのオンパレードです。
椎名林檎さんを意識したのでしょうか。
まあ調性感の低さはこの曲に始まった話ではありませんが。
でもあまりそういう曲的な要素を感じさせないんですよね。この辺のセンスはやはり凄いですね。
椎名林檎さんだと、コード進行なりの曲に聴こえますから。
この曲の場合、何だか聴いていて自然に聴こえるんですよ。このコード進行でこの自然さ、普通の人では出来ないと思います。
この曲、「道」と同時配信な訳ですが、この2曲、全く違った作品になっていて面白いですよね。
「道」については明日触れたいと思います。
エレアコのイントロも絶品ですし、1コーラス目のサビや2コーラス目のAメロのストリングスの入れ方も実に上手い。
で最後はコーラス主体の全然違う世界に持っていかれて終わる、この展開力は凄いとしか言いようがありません。
例えば「花束を君に」だと、最後に曲をまとめているんですよね。世の中のポピュラーとしてはそれが普通です。
ただこの曲だと、冒頭のイントロとは全く違うところにエンディングが着地する(笑)。
歌詞については、もはや疑問の余地はないですよね。ノンバイナリーであることを明かす前は勘違いしている方も多かったのですが、単語に隠された意味を知っていれば、聴いた時点で何の暗喩かは分かるはずです。
この辺の話については以前書いているので割愛しますが。
それにしても凄い曲ばかり書くなあ。
やはり「Fantôme」は名盤ですよ。
ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。