日本の作曲家⑮
次は完全に個人的な「好き嫌い」の次元で書きたいと思います。
平井堅さんです。
もちろん歌は上手いです。ただあまりこの方、作曲という観点で見られていないのがやや残念です。
基本的に楽曲提供をほとんどしていない、というのも大きいのかもしれませんが...。実際にはJUJU with HITSUJIの「かわいそうだよね」位でしょうか。
前にも書きましたが、この曲の亀田誠治さんのアレンジ、ぐっと来るんですよね。
ピアノ、オルガン、エレクトリックベースというある意味意表を突く編成にした上で、全てのパートを効果的に響かせている素晴らしいアレンジです、ってアレンジの話書く記事じゃなかった(笑)。
で、曲の話に戻すと、比較的シンプルなコード進行の曲が多いです。とは言っても、色々な工夫はされていて、「瞳を閉じて」での同主調からの借用和音の使い方とか、「キャンバス」のA´メロ(2コーラス目はこの場合Aメロがないことになるので、実質的にはAメロといった方がしっくりくるかも)の終わりの部分の半音進行とか(間奏で使われることは多いですが、メロの途中で使うと効果的)、aikoさん的な要素もあったりしていて、上手く作っているようなイメージです。「even if」のノンダイアトニックコードの使い方も上手いですよね。
aikoさんのように大胆なことをしなのは、やはりこの方、バラード比率が高いせいだと思います。やはりバラードだと「冒険」はやりにくいと思います。
バラードって聴き手に「考えさせすぎる」のはあまり好ましくない思います。「ここはどうだ」とか「あそこはああだ」になってしまうと、曲に入り込めないでしょう。で、バラードって感情に訴えかけるものだから、あまり考えさせ過ぎてはいけないんだと思います。
もちろん、実はアクロバティックなことをしながら、それを感じさせることなく素直に聴かせることが出来れば一番ですが、なかなかそれは難しいです。
そういう意味でやはり平井堅さんって、基本シンプル、ちょこっとだけサビの効いたコードを使ってバラードを書くところがいいんですよね。
ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。