演奏が上手いということ㉙

今日はピアノの音程表現について書きたいと思います。

微分音が弾けないとされるピアノ、これがハンディとなるか、とくるはずなのですが、違います。

ピアノでも実際には完全に均一な音程が鳴る訳ではありません(いわゆる「電子ピアノ」は正確かつ均一な音程がなります)。

勘違いしている人、多いんですよね。

もちろん、調律がきちんとなされていることが前提です。現実に調律が酷いピアノの方が数量的には多いはずです。まともに調律が行われているピアノの方が遥かに多いでしょう。

で、本題に入ります。

まず当たり前な話。

絶対に変わります。

温度や湿度が変われば音程は変わる、これは人工的に音を生み出す楽器でなければ、変わらないと考える方がおかしい。

音は振動です。環境が変われば振動が変わるのは当たり前。

だから環境が変動すれば音程が変わるのは至極当たり前な話。

なので、仮に諸条件が一緒だったと仮定します(そもそもそれ自体がありえない仮定ですが)。

現実には変わります。音程が変わらないと言う方ですら、ピッチ自体が変わることは認めていることが多い。

むしろそのずれが検知可能かどうかが議論の対象になる。

理論的に考えれば音程自体違うはずなんですよ。

鳴らした音自体が空気の流れを変えるから。

こう考えると相対性理論みたいになりますが。

これが分からない人が多いことは残念ですが、宗教のように信じている人が多い。

でもそれで変わらなければ、何らかの補正をかけている可能性が高い。

で、現実の世界に戻ります。

Bill Evansのピアノ、不協和音を弾いても濁らないと言われています。

でも実際には不協和音は濁ります(和音の前後関係によっても変わりますが)。

ではなぜ濁らないかと言うと、濁る音のタッチが弱いから目立たない、というのがもっとも大きな要因ですが、やはり耳を澄ませても濁っていない。

ここにピアノの演奏というものが内在している。

明日はその点について書きたいと思います。

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