時々音楽制作日誌【番外編】
昨日の記事で「オリジナリティ」について触れたので、その関係で今日はこの記事を書きたいと思います。
まあ出来れば分かるのですが、今リメイクしている「幸せに気づかずに」についてです。
これはなかなか変わった構成の曲になりましたす
曲自体はいわゆる「詩先」、彩本侑里さんという方が詩を作られています。
で、その詩ですが、とりあえず1コーラスだけ紹介します
暖かなテラスで
あなたの優しい眼差し 感じていても
少し退屈していた春の午後
あれが幸せだったと
今になって しみじみ思う
心の隙間に忍び込んだ 甘い誘惑
どうしてよそ見なんて したのだろうか
あなたのその手を離さないで
どんな時でも
しっかり握りしめていればよかった
この詩の構成だと、いわゆるAメローBメローサビの構成だと上手くいきません。
詩の構成自体が4つの場面に分かれているため、1つ「余る」んですよ。そうすると曲も4つの構成にする必要があります。
無理に2番目と3番目の段落を合わせて「Bメロ」にすることも出来なくはないですが、やはり詩の「世界観」を壊してしまうと思います。
なので「AメローBメローサビ」ではダメなんですよ。
もう一つ「メロ」が必要になります。
ただここが面白いところで、そうすることによって、曲にも副次的効果が出てきます。
「よくあるパターンの曲」にならないんですよ。詩先の「良さ」はこういった所がやはり面白いんですよね。
自然と自分では作らないような構成の曲が出来ますから。ベートーヴェンを演奏する上で、山下洋輔さんは「枷」があるから自由になれると言ってましたが(この話はベートーヴェンの曲は冒頭部が最後にも提示されるという、ジャズの構成に近い、特にフリージャズにとっては重要な点が共通していることを指しているのでしょうが)ある意味本質を突いた言葉だと思います。
そういう視点からすると、この場合、詩がある意味音楽の「枷」になっているから、逆に音楽の「一般的な構造」から脱出することが出来ているのかと。
まあ言葉で色々書くより出来た作品をお聴きいただいた方が早いとは思いますが(笑)。
早く完成させなきゃ...。
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