作曲・編曲②
正直なところ、自分は「編曲者」という存在自体を知りませんでした。
音楽を始めた頃、編曲は作曲者のやることだと思っていたからです。
メロだけで曲と呼んでいいのか、というと違う訳で、そこまでやって始めて作曲だと思っていました。
音楽制作のスタートが現代音楽だった自分としては、ごく自然なことです。
現代音楽を制作する上ではクラシックに関する技法・知識は必須ですし、もちろん「展覧会の絵」のように作曲者が制作したものより、編曲し直した作品の方が有名な例もありますが、クラシックで作曲者がメロだけ作って曲を書きました、なんてことは100%ありませんから、
ただ現代音楽をやっていく中で、やはりジャズも聴く必要があり、その結果その考え方は間違いだということに気付きました。
そもそも同じ方が演奏したって毎回違う演奏になる訳だし、小節のカウントミスのある演奏でも発売されることのある世界ですから。
ただこれを「編曲」というのはやはり違うのかなあ、と感じています。
これはジャズという音楽の特性であって、メンバー間の相互作用で生み出される、即興性の高い音楽だからこそ生じる現象だからです。
曲なんて数小節あれば何時間でも演奏できる訳ですから。曲というよりは主題なりモチーフと言った方が多い作品が多いです。
もちろん他のジャンルの曲も演奏しますが、全曲はまるまる演奏することはまずありません。あくまでもモチーフとしての使用です。
そう考えると例えばポピュラーにおけるソロでのアドリブも同じで、アドリブをやったからといって、その曲の編曲者に名を連ねる、ということはありません。
ただやはり「編曲」という行為はロックやポップスには、洋楽と言えども存在してますよね。
基本的に「型」のある音楽だと、これがないと型になりませんから。
ただ、洋楽だと作曲者やその曲を演奏するバンドのメンバー、もしくはプロデューサーがアレンジすることが多分ほとんどだと思います。日本でももちろん多いのですが、日本の曲を聴くようになるまではそんなことは知る由もありません。
なので、編曲はその音楽に何らかの形で関わっている方が行なう行為、という風に自分の考えが変わりました。
でJ-POPを聴きだしてから、あれっ?と思った訳です。ただ単に編曲だけを生業としている方が多いという事実に。
小室さんは例外に近い存在で、例えばつんく♂さんなんて曲も歌詞も作ってプロデュースもしているのに、編曲は別の方がやっている...。
結構衝撃的な出来事だったんですよね。何故そこだけ抜かすの、みたいな感じでした。
で日本の「大量生産型分業システム」を知る訳になる訳です。
この「大量生産型分業システム」についてはまた明日にでも。
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