音楽作品制作方法⑱
もう18回目ですね(笑)。さすがにそろそろ終わりに近づいているかもしれませんが。
次にするのはミックスですね。音の大きさもさることながら重要なのはPANの設定だと思います。
例えば弦楽器であれば、一番高音部を演奏する第1バイオリンが向かって一番左で、そこから順に並べていって、チェロを一番右に置く、という配置がありますが(ちなみにコントラバスはチェロの奥)、これを逆にしたらみっともないと思います。
もちろん、この配置が本当にいいかどうかは色々な見解があります。バイオリンの2パートを意図的に左右に振る、という配置もあります。バイオリンの2パートをより明確に聴かせるためです。
ただ、逆さにしてしまうのでは何の効果もありません。ただ知らない人と思われるだけです(笑)。
以外とポピュラーでもこの辺はしっかり意識してMIXされていることが多いと思います。むしろ一般的に言われているような配置にする場合がほとんどです。
そうすると「らしく」聴こえるんですよね。やはりそうすることによって、違和感のない聴こえ方にしているのかと。
この辺は意識しておくといいと思います。
自分の場合、PAN振りはかなり強めにやります。その方が聴いていて「拡がり」が出来るからです。
実際にはそう聴こえるのは「リアル」ではないのですが、むしろ「リアル」に聴こえると思います。
ピアノの音で鍵盤毎に鳴る位置が異なる音源も多いですし、特にピアノをセンターに置くとそのように実際にそう聴こえることは演奏者位でしょう。
しかも背中を見せてピアノを弾いている、という現象に陥るはずなのですが、そう聴く方はほとんどいらっしゃらないと思います。
「実際にどう聴こえるか」と「聴いていて自然に感じるか」は完全に一致するものではありません。
実際に生で真剣に音楽を聴くことって少ないですから。ライブで真剣に音楽を聴いている方はあまり見たことがありませんし。やはり音楽を聴く時は何らかの再生機器を使って聴くことがほとんどだと思います。
だから、再生機器を使って聴く音が「リアル」になってしまうんですよね。で、PANは明確に振った方が「分かりやすい」ですよね。音がどこから鳴っているかがはっきり聴こえた方がくっきり音像が浮かびます。
「どこで誰が何を弾いているか」を明確にするのが、リバーブのかけ方であったり、PANの振り方なので、やはりリバーブの深さは楽器によって明確に差を付ける必要があるし、またPANもしっかり振ってあげる必要があります。
ただ気を付けなければならないのが、PANの設定で聴こえる音の大きさは変わってきます。なのでPANを振ってから、実際のミックスバランスを決めることが大切かと。
後、ミックスバランスですが、これもどの楽器をどこで鳴らしているかが重要なポイントになります。
遠くにある楽器を大きくミックスしてしまうと、やたら頑張って大音量で演奏していることになりますからね(笑)。