作曲・編曲81
段々ネタが尽きてきました。やはり「書きたい」と思う曲がないとなかなかこの記事、書けないんですよね…。
で、たまたま聴いていた曲について書くことにしました。
スキマスイッチの「奏」です。
何となく難しい印象をお持ちの方もいらっしゃると思います。
ただコード進行自体は捻りは効いているものの、オーソドックスな進行と言っていいと思います。
編曲もこの手の曲だと、1コーラス目のAメロ、ドラムは抜くのが定石でしょう。
でもそうはならないんですよね(笑)。
もっと言ってしまうと、全般的に楽器数の増減がありません。イントロの始めこそ、ピアノだけですが、すぐにストリングスやドラム、ベースが入ってきます。ここで入るオルガンは効果的ですが、どちらかというと、メリハリの効いていない編曲と言ってもいいかもしれません。
何だかここまで書いた内容を見ると、この作品に対して否定的、と捉えられるかもしれませんが、この曲は名曲です。
これまで上げた点、理由があっての話ですから。
まずコード進行が複雑ではない、という点ですが、この曲の最大のポイントは最後の転調です。
あまり複雑なコード進行を使うと、どうしても調性感が薄くなり、転調の効果が低くなるんですよ。
逆に言うと、転調感を高めるためには、調性は明確であった方がいいんですよ。
そう考えると、この曲で複雑なコード進行にするのは良くないんですよ。
なので使われているノンダイアトニックコードも、基本的に経過的和音です。
後、楽器編成なり編曲にメリハリがないことにも理由があります。
この曲、いわゆる「Bメロ」にあたる部分がありません。転調ももちろんですが、曲自体のメリハリが強いんですよ。
そうすると、どうしても曲が強くなりすぎるんですよね。展開が目まぐるしく、かつ派手になりやすい。
そこで編曲まで派手に展開させてしまうと、聴き疲れしやすくなります。
だからこの曲、この編曲で正解なんですよ。
まあ、そんなことは関係なく、この曲は聴いただけで名曲と分かる名曲でしょう。
そしたら何でこんな記事書くのか、と言われたらそれまでですが(汗)。
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