ミュージシャン②鬼束ちひろ~8

延々と書いているときりがないので、シングルに戻りますが、「Sign」から一曲飛ばします。

まあ、あまり好きじゃない曲だから飛ばすんですけど(笑)。

で「Sign」から一曲飛ばすと、鬼束ちひろさんのシングルでは珍しいカバー作品になります。

オリジナルの方が遥かに有名ですが…。

「いい日旅立ち・西へ」です。

まあ曲について書いてもしょうがないので、その辺は割愛します。

ただ不思議なのは、曲のキーを半音下げているんですよね。オリジナルのキーでも鬼束ちひろさん、余裕で歌えるはずです。

自分ですら、「いい日旅立ち・西へ」なら余裕で原キーで歌えますから。

何らかの意図はあったんでしょうが、正直良く分かりません。半音下げた位で、そう歌って変わるものじゃないんですよ。

アレンジの都合でキーを変える場合もありますが(楽器によって出る音域が違うから)、むしろその場合は上げることは多くても、下げることは少ないです。

半音上が出ない、ってあまりないんですよ。半音下が出ない方が遥かに確率は高い。

なので、オリジナルのキーにしたと仮定してみました。

多分歌はどちらでも歌えるでしょう。

大きな原因はストリングスだと思います。

チェロの低音を上手く響かせているんですよね。これを半音上げるとイメージが変わるような気がします。

あとバイオリンが浮ついて聴こえると思います。

おそらくですが、楽器の響くキーがここだったのかと。

で、このキーで楽器を響かせた時に、歌も良く響くんだと思います。やはりアレンジと歌は切り離せないものですから。全般的にキーを下げた分、落ち着きが出ているように感じます。

と書いてきて、やはりこのキーの変更には意味のあるように思えてきました。というのも山口百恵さんの声って、意外に「重み」のある声なんですよ。鬼束ちひろさんの方が声が重くないから、この変更にはそういう意味もあるのかもしれません。

まあ実際のところは分かりませんが、やはり鬼束ちひろさん、カバーもいいんですよね。

曲を活かしているんだけれど、しっかり自分の世界をそこに築いている、これって結構難しいんですよ。

自分の世界を作りすぎるがゆえにオリジナルを殺す演歌系歌手のカバーとは大違いですし、オリジナルに引きずられて、オリジナルに負けるカバーが多い中、この人、カバーの失敗例がほとんどないと思います。

唯一あるとすれば、中島美嘉さんと加藤ミリヤさんの「Fighter」位ですが、これは歌はいいんですよ。

無理矢理「鬼束ちひろ」風にアレンジした編曲者のせいです。何でもチェロ使えばいいってものじゃないのに…。

ただ、やはりこの作品も含め、カバーをやっても素晴らしい歌い手であることが実感される作品だと思います。

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