楽器の配置⑥
そろそろ真面目にタイトルに従って記事を書こうと思います(笑)。
まずはオーケストラの編成から書いていきたいと思います。
まあ何を見ても書いてあることですが、音の大きい楽器は後ろ、小さい楽器は前に持ってくるのが普通です。
まあ各パートのバランスを考えれば、これは自然なことと言っていいでしょう。
ただもう一つの特徴があって、もちろん例外もありますが、音の高い楽器を聴き手側から左側、右に行くに従って低い楽器を配置する、という点です。
丁度前を向いているピアニストの演奏を聴いているようなイメージです。理由は良く分かりませんが、やはり特にステレオ音源だとこの配置は自然に拡がりが出て「聴きやすい」のかと思います。
ただストリングスの場合、昔は両翼配置という配置が基本でした。左から第1バイオリン、チェロ、ビオラ、第2バイオリン、という配置です。
今でもこの配置を使うことも多いです。
というのも元々クラシックでは各声部がそれぞれの旋律を弾くのが基本であるため、特に旋律なりパートの在り方が相対的に複雑化していない古典的な作品の場合、隣接した音域の楽器、特に第1バイオリンと第2バイオリンを並べるよりも、こういった配置の方が音域が同じ楽器の2つの声部が聴こえやすくなるからです。
クラシックにとってこの概念は重要で、いわゆる「禁則」と呼ばれるものも、各パートを独立した声部として聴かせる、ということが念頭にあって作られたものだからです。
例えばあるパートと別のパートが完全8度で並行移動したら、同じ旋律のように聴こえてしまい、独立した旋律のように聴こえなくなりやすいから、禁則とされている訳です。
もちろんポピュラーであれば、元々そのような概念自体がないので、このような禁則に意味はありません。
両翼配置をする場合、独立した旋律を明確に聴かせる、という目的がある場合が多いと思いますが、実際に自分がストリングスのパートを作る場合、独立した旋律にすることは意識していますが、通常配置にしています。
これには理由があります。
「楽器の配置を知らない人」に成りたくないからです(笑)。
特にポピュラーの場合、ストリングスがメインという訳ではありませんから、通常配置にしないと、「間違ってる」と思われかねません。
いくら作り手側が拘ってストリングスアレンジをしたところで、各パートの旋律を気にして聴かれる方もほとんどいないでしょうから、両翼配置なんてやってもあまり意味がありません。
まあ音楽の本質とは全く関係ない話ではあるのですが、やはり「何も知らない人」には成りたくないんですよね。
プライドとかそういう問題でもなく、なんか嫌、そんな感じです。
いくらストリングに拘って制作しても、「こいつ分かってないよ」じゃ、やはり悲しいですから(笑)。
だから、やはりポピュラーの場合は普通に聴き手側から見て、第1ヴァイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロという現代ではオーソドックスな配置にするのが一番いいでしょうね。
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