好きなミュージシャン(洋楽編)⑤
ピアノ続きでこの人いきます。
Chick Coreaです。
ジャンルが全然違うけど、そもそもそんなこと気にして音楽聴いてないし(笑)。
「Circle」の頃も好きだし、「Now He Sings,Now He Sobs」は文句のない名盤、「Akoustic Band」」も捨てがたいです。
それにGary Burtonとやっている大感動の名盤「IN CONCERT,ZÜRICH」これなんてもう涙ものです。
でもやはりこの方の場合、あのアルバムに触れざるをえません。
「Return To Forever」です。やはりその後の音楽を変えてしまったアルバムと言っても過言ではないですから。いい意味でも悪い意味でも。
当時のことは知りませんが、あれが出てきた時はショックでしたでしょうね。
電子楽器の使用自体はこのアルバムより以前からありましたから、それほど大きな事ではありません。
ただ、作品自体の質がこれまでと全く違っているような印象です。このアルバム以前はただ単に使っている楽器が違うだけ、というアルバムが多かったし、音楽の質が変わっていても「尖った」方にいく場合が多かったように思います。
このアルバムは「耳に心地よい」方に進みましたからね。
もちろん「耳に心地よい」だけの作品ではなく、中身自体は完全なジャズです。ラテン的要素は入っていますが、ただ単に耳障りがいいだけで、音楽の内容としては完全にジャズです。
「What Game Shall We Play?」辺りは微妙ですが、この曲も結構好きではあります(笑)。確かCMでも使われていたと思います。
他の曲は「耳に優しい」けれど、音楽自体は決して聴きやすいとは言い難いと思います。メロディックであるからジャズとしては相対的に聴きやすい、とは言えると思いますが、このアルバムはそんな簡単な音楽ではありません。
ジャズの新しい可能性を導き出した、という点で間違いなくエポックメイキングな作品だと思います。
ただ一方で、このアルバムの表面的な「美しさ」だけを切り取って、その部分だけを切り出し、即興性が特徴であるジャズとは違い、既に「出来上がった」、ただ単に聴きやすいだけのBGM的な音楽を作りだすミュージシャンが大量に出現したのもまた「事実」です。
まあその点についてはChick Coreaには何の責任もないので、やはりジャズの新しい可能性を引き出した、という点で評価すべき作品だと思います。