曲と歌詞㉑

随分と前の記事に戻ってしまいました(汗)。しかも前回とは内容の関連性がない(笑)。

何故こんな記事を書こうと思ったかというと、この週末で見たテレビ番組で「この歌詞が刺さった!グッとフレーズ」とかいう番組やっていて、見たのですが、違和感を感じたからです。

山崎まさよしさんの「One more time, One more chance」位かなあ、自分に響いたのは…。

何だかただ単に自分の心情を語っているだけで、詩として優れているとは思えない曲が大半だったように思えます。

だからこそ簡単だし、刺さるのかもしれないけど。

前にも記事にしたことがありますが、今井美樹さんの「半袖」という作品があります。作詞は岩里祐穂さんです。

まあ大昔の曲(1990年)で、自分が知ったのも飛行機に乗った時に聴いたのがきっかけで、慌ててCD借りにいった記憶があります。

多分自分の知っている歌詞では最も優れた歌詞の一つ、と言っていいと思うのですが、自分の「心情」は2コーラス目にならないと明確にならないんですよね。

まず冒頭の「その人を見た」、「あの人」や「この人」でないから、主人公との関係性が分からないんですよね。

Aメロ×2‐Bメローサビで出来ていますが、Aメロでは風景なり、「描写」だけのように感じさせられます。

しかも2回目のAメロ、1回目とは直接的な関連性がないので、取り分け風景の描写という印象が濃くなるんですよね。

Bメロで初めて「その人」について語られますが、これも描写に近い印象。

で突然サビで「清らかな空」ときた後に「苦しくて」が2回繰り返され、「倒れそうになる」となるのですが、普通「清らかな空」の後に、「苦しくて」はないんですよね。

だって「清らか」ですからね。「苦しくて」という言葉がそぐわない。

で2コーラス目で初めて「その人」に対する想いが語られるのですが、サビまで、直接的な表現を避けているんですよね。

Aメロ(2コーラス目は1回のみ)で関係性が暗示され、Bメロでどういう関係かが示されるのだけれども、明確な表現を避けているんですよね。

だからサビ(1回のみ)の「愛し続ける勇気を私はそれでも捨てない」が生きてくるんですよね。

そもそもマイナーな曲だから、ということもあるとは思いますが、こういう歌詞が評価されない世の中はちょっと寂しいですね。


ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。