今月の振り返り。
今月ももう25日なので、振り返り。
7月前半は(今も継続中だけど)なんとなく、ブログやエッセイを読む気分が高まっていた。二階堂奥歯『八本足の蝶』、伊藤計劃『第弐位相』なんかが楽しい。本なら桜庭一樹『小説という毒を浴びる』、森茉莉『贅沢貧乏』、美輪明宏『天声美語』。頭の中をきちんと文章化できる人が、好きなものやことについて書いたものを読むのは面白い。ダイレクトに世界の広がる感じ、知らなかったキラキラしたものを発見する喜び。
後半は夢見るような、繊細で透明な耽美。長野まゆみ『少年アリス』古屋信子『花物語』萩尾望都『トーマの心臓』。耽美と言ってもエロティックで翳のある死の匂いが強い美というよりは、触れれば壊れそうな薄いガラスでできた箱庭のような、無臭の美。きらきらしていて、かわいい。『トーマの心臓』に関してはそれだけじゃないけれど。
そして今月は新たにシャンソンというものに出会う。美輪明宏『メケメケ』から入って、『恋のロシアン・カフェ』、フレンチギャル『夢見るシャンソン人形』なんか。バラードは苦手だから明るいやつ。アップテンポの中に哀愁がそこはかとなく匂ってくるものはないかと探している。
花瓶を買ったけれど、花を入れていない。花は生きているから、きれいに保ってあげられるか心配だ。まあいつかは枯れるのだけど、できるだけ長く持たせてあげたいし、そもそもちゃんとしたお手入れができないなら飾る資格がないとすら思う。毎日茎を切って、水を替える自信がつくまでまだ少し。生きているものは、こわい。