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最後の1週間

出社する最後の1週間が始まった。

今年のクリスマスは、会社員装備の返上儀式。
RPGで途中のダンジョンまで行ったけど、データ消失でもう一度キャラクターの名前をつけるところから始めなきゃいけないみたいなものだ。

自分の痕跡を消す作業は8割方終了していて、同じように早期退職で出て行く人の片付けを手伝ったり、社外の方たちにも連絡したり、ご挨拶したり。

あまり現実味がないな、と思っていたのだけれど、
マシンルームでこんなにテープデッキに囲まれることも、
こうやってBCT-6SRにシンクをひくことも、
カラーバーを45秒間入れることも、
もう無いんだな、と思ったら、やはり寂しくなった。

物を手放すのは上手じゃ無いけど、写真を撮ってから減らそうと努力中。
人と離れるのは、会おうという想いが合致しさえすれば、きっと会える。
生きてさえいれば、きっとまた会える。

ただ、
空間は、
その場所がなくなってしまったり、立ち入ることが許されなくなったら、もう二度とその空気を感じることが出来なくなる。

なので、昔から、空間を失うのはとても苦手だ。

空間があたしの帰属感を満たしてくれているからなのかもしれない。
ここに居ていいんだよ、という許可を貰えている気分になるからなのかもしれない。

出会いや別れは何度も経験してきている年齢だけれど、
退職だって初めてなんかじゃ無いんだけど、
やはり、最後の1週間、とても感傷的になっているみたいだ。

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