【不思議な夢】暁とスピリット
あの世の夢を見てしまった話。
この夢を何年前に見たのかはもう思い出せないが、日付だけははっきりと覚えている。
20××年2月1日に見た夢だった。
××年は・・・うーん、引っ越しする前だったと思うのだが、そうなると7~8年くらいは前だったかもしれない。
夢の中の私は雲の上に立っているような感じで風景を眺めていた。
ここがどこであるかは理解していた。
あの世と呼ばれる場所だ。
私は夢の中であの世に来ていた。
周囲を見回すと夜が明けたような少し薄暗い感じがした。
時間帯にすると5時前後の太陽が出る少し前くらいかもしれない。
私はあることに気付いた。
側に誰かが居た。
姿は見えないが、怖さは全くなくてむしろ安心感があった。
頭に浮かんだのは僧侶の姿だった。
年配の僧侶の男性だろうか。
私をとても暖かく包み込むような存在だった。
その時は私のガイドスピリットではないかと感じた。
傍らにいる僧侶は言葉や音を発することはなかったが、間違いなく私の側に寄り添っていた。
ふと下の方が気になって視線を落としてみる。
下界ではとても親しかった人達がいた。
ただ、私の存在には気づいてないようだ。
場面は変わり、私の周囲にはどこか懐かしい雰囲気を醸し出す人達が涙を流しながら私にこう語りかけてきた。
懐かしい人々「本当に行くの?」
懐かしい人々「下界はとても辛くて苦しい場所だよ!」
懐かしい人々「やめた方がいいよ、思いとどまって!」
懐かしい人々「あなたのこと心配だよ!」
私「大丈夫だよ、何とかなる」
会話の内容はうろ覚えだが、確かこんな感じのやり取りをしたように思う。
下界に行こうとする私を泣きながら引き留めようとする懐かしい人達。
とても自分に近い感じがした。
「大丈夫だよ、何とかなる」と言った私はどこかに吸い込まれるような感覚を覚え、気付いた時には目が覚めていた・・・。
目覚めてすぐに私はガイドスピリットの存在とあの世に居た時の自分のことを見せられていたのかな?っと感じたが、夢の内容が本当にあったことなのかは証明する術はない。
だが、夢の中で側に寄り添っていた年配の僧侶の男性の存在はとても印象が深く、私が下界に行くことを引き留めようとした懐かしい人々と出会えたことはとても嬉しくて温かい気持ちにさせられた。
母があの世の夢を見た時にはとても羨ましいと思ったが、私も見てしまった。
母が夢でみたものとは全然違う雰囲気だったので、行き着いた先が違う可能性は高い。
あの世には無数の階層が存在するらしいので、人によって見え方や感じ方に違いがあるのは普通なのかもしれない。
自分と同じような性質を持った人ばかりが集まると言われているあの世。
天寿を全うしてあの世に旅立った時にまた夢の中の人々に会えるだろうか?
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