【不思議体験】不思議な蛇
母から聞いた実家の庭に居座っていた不思議な蛇の話。
今住んでいる家は約10年前に引っ越してきた一軒家だ。
小さな庭は存在するが、砂利が敷き詰められており、鉢植えの植物で緑成分を補充しているような感じである。
家の前には田んぼが広がっており、少し離れた場所に小さな川がある。
っと言っても水量は少ないために晴れが多いと干からびているようなものだが。
春から夏にかけては蛙の大合唱だ。
ゲロゲロゲロ・・・毎年のように聞いているものの、そういう時期が来たんだと思わされる。
ただ、時折数匹ほど自宅まで跳ねてやってくるので困ることがある。
1.駐車スペースに入り込むことで気付かずに踏んでしまうことがある
2.窓やドアを開けた隙に入って来るので追い出すのが大変(蛙苦手)
3.秋や冬に家の掃除すると年に1~2匹の干乾びたご遺体を目にすることがあり、愛犬が生きていた頃はそれを口に銜えてきたこともあった
こんな感じの蛙騒動がいくつもあったことで、田舎暮らしは嫌だなぁと思うことはある。
職場のパート仲間やバイトの中にも家の近くに田んぼがあるので蛙と遭遇することが多いという話は何度も聞いたことがある。
ただ、蛇はあまり見たことがない。
たった1度だけ木に巻き付いてこちらの様子を伺っていた蛇は見つけたことはあったが、蛇嫌いの母がホースで水を撒いて追い払ったことがある。
その蛇は木から飛び降りてにょろにょろと動いて田んぼの方へ逃げていった。
それ以降は蛇を一度も見たことがない。
蛙はたくさんいるのに蛇はあまり見ない。
ちょっと不思議な感じはするが・・・。
母「そういや、前に住んでいた家に不思議な蛇がいたけど、見たことあるか?」
私「何年前の話よ?」
母「まだ引っ越す前の話だけどね」
私「あそこもあまり蛇を見なかった気がする、蛙もあまり居なかったけどね」
母「ナメ〇ジはたまに見たけどな」
私「ダメだ、私はナ〇クジは大の苦手なんだ、蛙よりダメだわ」
母「ナメ〇ジなんて襲ってこないだろう、蛇は臆病だから噛みつく可能性だってあるし」
私「ナ〇クジは寄生虫がいるんだよ、危ないんだよ!」
母「蛇だって危ないじゃないか」
私「蛇が蛙やナ〇クジを餌にして数を減らしてくれないかなぁ」
母「私は大の蛇嫌いだけど、前の家に居た蛇だけは不思議と怖いという感じはしなかった」
私「神がかった感じだったの?」
母「何となく家の守り主みたいなオーラを感じた」
私「その蛇は何年ほど居ついていたの?」
母「数年は居たな、庭のあちこちを移動しては大人しくしていた」
私「大人しい蛇だったの?」
母「あまり人間を怖がるようなそぶりはなかったな」
私「最後の方はどうなったの?」
母「ある時に庭先で伸びたまま動かなくなってね、死んだのかと思ってたんだけど、目を見たら開いてたからまだ生きていたんだってちょっと驚いた」
私「蛇嫌いなのによく目を見たね(汗」
母「その時は出来た、何故か」
私「そのうちお亡くなりになったの?」
母「ある時に何となく気になって蛇の様子を見に行ったら、目は閉じてて全く動かなくなってた」
母「兄を呼んで般若心経唱えてもらって、庭先に埋めたよ」
私「前の家のこと守ってくれてたのかな」
母「そうだと思う、隣の公園に行くこともなく、ずっと前の家に居ついていたからね」
人間を怖がることもなく、自然豊かな隣の公園に移ることもなかった不思議な蛇は数年間ほど家を守るような形で居ついており、ある年の秋頃に自宅の庭先で亡くなっていた。
何となく守られている気がしたのでお礼にお経を唱えて庭先に埋めたのだが、あれから引っ越しをしてしまったことで新たに蛇が住み着いているかどうかは分からない。
あの蛇が生きていた頃に母は何度か蛇にまつわる不思議な夢を見たことがあったようだが、どうやらチャンスを逃してしまった様子。
夢の中の蛇は母の体を巻き付きながら登ってきたのだが、蛇嫌いの母はそれを手で追い払ってしまったのだという。
そのような夢を2回ほど見たことがあると言っていたが、あの蛇に似ていたかもしれないが確証は得られないとも。
もし手で追い払わなければ、どのような幸運が舞い込んでいたのだろうか?
拒絶された蛇は「この人は受け取ってくれない」と悲しい気持ちになったりしたのだろうか?
蛇の恩恵を受け損ねたわけではあるが、現在も健康に過ごせること自体が蛇の守りのおかげだったのかもしれない。