【人怖話】無茶な要求を通す者
実は先日こんな変わった夢を見た。
夢の中の私は薄暗い場所に居た。
どこからともなく声が聞こえてきたが、人ならざる者であることだけは理解した。
???「今の世の中をどう思う?」
???「段々悪くなっている」
???「そこで、お前には〇〇する権利を与える」
私「でも、それを実行できるだけの知識も力もありません」
???「このままだとこの世は消滅する、その前に・・・」
私「〇〇してしまえばそれでおしまいです、だから〇〇までやらずに××で相手が変わることを願って様子を見るしかありません」
???「もし変わらなければ?」
私「その時は神仏のお力で〇〇するしかないと思いますが・・・」
その瞬間に世界が灼熱の炎に包まれる!
・・・気が付いたら目が覚めていた。
謎の存在はもしかしたら不動明王ではなかろうか。
炎のエネルギーで悪いものを浄化する。
夢の中でも何となくそういう風に感じていたからだ。
夢の話はここまでにする。
販売業をしている人ならば何度も経験したことがあるだろう、無茶な要求を押し通そうとする人物との遭遇。
※問題を起こす人はもはやお客様ではない
今まで見たり聞いた出来事を全部書いたらキリがないくらいの膨大な量の情報がある。
そして今日もまたその手の人物が来店してきた。
仕事である以上対応しなければならず、どんな出来事があったのかは全て上司に報告済みである。
ここで詳細を書くのはまだ時期が早いので今回は伏せるが、似たような出来事はコンビニ勤務時代にも経験があった。
それについて書いていこうと思う。
今から書く内容は10年以上前に勤めていたコンビニでの出来事だ。
ケースその1 商品の外箱を破っておきながら返品しろとの要求
その時はレジには私ひとり立っており、バックルームではオーナーが発注の作業をしていた。
70代くらいの男性が来店してきたのだが、蛍光灯のどれを選べばいいのか分からないから教えてくれと言ってきた。
私はその男性がどこでどういう風に使う蛍光灯が欲しいのか分からなかったことでオーナーに相談することにした。
その後はオーナーが対応してくれたことで、男性はレジに蛍光灯を持ってきた。
1000円ほどの商品を2つ持ってきたのだが、その時に何となく嫌な予感がしていた。
「この人・・・絶対返品に来る」
会計を終わらせると男性はそそくさと帰って行ったのだが、15分後に悲劇が訪れる。
その男性が再び来店してきたのだが、蛍光灯が使えないと文句を言ってきた。
商品を確認すると・・・外箱を乱暴に開けたことで元に戻すことが不可能だった。
綺麗に開けてくれていれば、元に戻すことは出来たかもしれないが、誰かに恨みでも抱いたかの如く、バリバリと破られていた。
段ボール素材の外箱をそこまで力を入れて開けるとは・・・普段から体を鍛えている人なのだろうかと思ってしまった。
外箱がダメになっているから返品不可であることを伝えると、男性は逆上してこんなことを言いだした。
「そっちが勧めたから買ったんだろうが、絶対に返品する!」
「外箱の代金払ってやる、10円2枚でいいだろ!」
バックルームで作業をしているオーナーをすぐに呼び出し対応して頂いたのだが、オーナーは「すいません」とだけ伝えて返品に応じてしまった。
確かに、オーナーが勧めた以上は返品をしなければならないとは思うのだが、外箱代として20円を置いていったのだけはどうしたものかと思う。
オーナーは20円を受け取りたくなかったようだが、男性はそれを回収することなく置き去りにして帰ってしまった。
もちろん、蛍光灯は商品として店頭には出せないので廃棄処分になった。
2000円の廃棄である。
お店側としては2000円はとても大きな金額だ。
置き去りにされた20円は一体どうしたのかというと、よく知らない男性だったことで次に来店するかどうかも分からない、だから募金箱に入れることにしたようだ。
オーナーも「箱代が20円なわけないし、こちらで商品を箱詰めしてるわけでもないし、もう少し丁寧に箱を開けてくれていたら廃棄しなくても済んだのに・・・」とぶつぶつ文句を言っていた。
では、オーナーは男性とどういったやり取りをしていたのか。
男性の話を聞いて「この商品はどうですか?」みたいに勧めたそうだ。
それがたまたま男性が使いたかった場所に対応したものではなかったという。
ここで、その男性に言いたいことがある。
蛍光灯がどういうタイプのものだったのか、今まで使っていたものの外箱やら実物を持ってきてもらうなり、商品に記載されている型番などをメモに書いて持ってきて欲しい。
●●で使っているやつ、とかこういう形のもの、と言われても、正しいものがどれであるのかは家で使っている人にしか分からない。
男性も自分では分からないから店員に聞いたのかもしれないが、本人が分からないものを店員が分かるわけがない。
オーナーもその辺は不満があるようだった。
「本人が分からないのに俺に相談されてもなぁ、だから以前買ったお店に行ったらどうですかって言ったのに・・・」
・・・と、ぼやいていた。
それから二度と蛍光灯を扱わないと決めたようだった。
私としても、トラブルの原因になりやすい商品はお店に置いて欲しくなかったことで、オーナーの判断はよかったと思っている。
コンビニは便利で何でも手に入るイメージがあるものの、全てのお客様が納得いって満足できる品揃えが出来るわけではない。
お店の面積や立地条件、どの客層が多いのかで店頭に置く商品を決めるのだ。
合う合わないがはっきりと分かっている商品だけはお客様によくよく確認してもらってから購入して欲しい。
店員はお客様から聞いた話でしか判断できない。
見本となるものを持ってきてもらえれば話は別なのだが・・・。
ケースその2 他店で買った商品を難癖つけて返品しろとの要求
これは数回以上同じ人物から返品を要求されたとんでもない出来事だ。
その時の私はバックルームで発注作業をしており、レジには年下の女性バイトF美が立っていた。
裏方にいたことでレジで何があったのか分からなかったのだが、どんよりした不満な表情でF美が裏にやってきた。
缶ビール6本セットを持っていたのだが、他店では扱っているが勤め先の店舗では取り扱っていない商品だ。
F美「聞いてくださいよ~、よそのお店で買った商品を返品してきたんですよ~!」
私「レシート見せてもらわなかったの?」
F美「捨てたから持ってないって言ったんですよ、その人」
私「どんなお客さんだったの?」
F美「チンピラみたいな怖そうな人が数名居たんですよ、凄く怖かったですよ~!!」
私「どこのお店で買ったんだろうね・・・」
F美「さぁ・・・そこまでは分からないですね」
次の日にオーナーに確認してみると、特に変な部分はないから商品として棚に置いても大丈夫だと言われたことで販売することになった。
だが、このチンピラ風男数名は1か月に1~2回ほどの頻度で同じような理由をつけて商品を返品しにくるのだ。
しかも、他店で買った商品をここで買ったと難癖付ける。
強面なのでレジに立っている店員は逆らう勇気などない。
オーナーも逆らうとやばいと思ったのだろう。
本当は受けたらダメ、だけど問題起きそうなら受けてもいいけど、少しでも凹んでいたりダメになっていたらちゃんと説明して返品不可であると伝えてね・・・とぼやいていたので、返品の際は細かい部分までチェックするようにしていたが、不備となる部分はどこにもないので、受け付けるしかなかった。
なんで買ったお店に返品に行かないのか。
ずっと疑問に感じていたのだが、オーナーは何となく理由は分かっていたようだ。
ここでは深く語らない。
もう二度と来店して欲しくない、と何度か願っていたところ、私の願いが通じたのか二度と来店することがなかった。
たぶんターゲットとなる店舗を変えたのかもしれない。
あちこちのお店でそのようなことをしてはお店側に嫌がられているに違いない。
チンピラ風で強面と言えども、本当は心が小さくて内心びくびくしている可能性だってある。
だからひとりで出来ない。
仲間を数名引き連れてこなければ出来ない。
臆病なのかもしれない。
・・・臆病ならこんなことしなければいいのにね。
以上が、コンビニ勤務時代に体験したとんでもない要求をしてくる人物の話である。
その1はまだオーナーが勧めたということで、こちら側にも問題はあったかもしれないが、その2は救いようがない。
だが、とんでもない要求をしてくる人物は後を絶たない。
あれこれ難癖つけて自分の思い通りにしようとする。
商品を破損したり汚しておきながら無理矢理返品しようとする、開封して使った商品なのに返品をしろと要求する・・・などだ。
現在勤めているお店でも色々あるが、コンビニ勤務時代の話なら10年以上も経っているからそろそろ書いても大丈夫だろうと思って書いている。
これを読んでいる方は無理矢理お店に返品しようなんて思わない人ばかりであることを祈るばかりだ。