虚無感に駆られる日々 第四章

第四章 意外な反応

そうして 前章から三日後
私はもう 残りの人生 塞ぎ込む日々なのだろうと完全に諦めモードになりつつあった その時だった。

いきなり美人さんからラインが来たのである。

「いきなり ごめん〜 漫画借りっぱなしだったよね?
いつ返せば良いかな?」

 私はそれまで精神的に疲弊しきっていたので、貸していたコトすら忘れていたので、ラインが来た際は理解が追い付かなかった。
数十秒後 私は貸していた事実を思い出し、状況を理解し返信した。 

場所と日時を合わせるだけの 淡々とした会話だったが、精神が崩壊してるのを悟られまいと必死に隠すことで一杯一杯だった。

けれども 殻にこもっていた自分自身を無理やり こじ開ける為には 必要な外出だと自覚はあった。

当日 指定された待ち合わせ場所に行くと、同じタイミングで美人さんも到着した。
お互い 久しぶり〜と挨拶を済ませ 物の受け渡しを済ますと、春休みの思い出話の話題になった。

美人さん「そういえば 春休みは、どっか行ったりした? 私は温厚ちゃんとかと出かけたりしたよ〜」

私は予想外の展開で必死に精神状態を隠しながら返答する 「え?、、、あ、あぁ……うん……俺も行ったかな…一人旅………うん楽しかったな……ははは」

「え?、、、あぁ 一人旅なんだ……」美人さんは驚いた表情

私 「こんなのと一緒に 出掛けたがる人なんていないんで(笑)」

 美人さんはリアクションに困った顔で話す「いや別にそういう話はしてないよ? ラインで話してる時も 凄い他人行儀で丁寧だったし…ちょっと怖い」

私は 精神状態を隠せていなかった 事態にハッと気がつき、それと同時に美人さんにも全てを打ち明けようと決心する
「実はですね…原因は全て私なのですが、絢辻さんと私 関わりが一切無くなってしまったんですよ」
 美人さんは混乱する「いきなり どういうこと?」

そして 私が淡々と説明を始めていくと 意外な事実が判明する。 それは ❝美人さんは私が絢辻さんに好意があることは、気付いていなかった❞というコトだ

美人さんはその事実にまず驚く「え!? 好きだっの?意外!  あんまし恋愛とか興味ないと思ってた」

私は思わず 突っ込む「気付かなかったんかい! 割と君にはバレても良いやって感じで行動してたよ」

彼女は笑う「えーわからないよ でもまぁ…大変だったね…」 

私は溜息をしつつ話を続ける「ははは……まぁ私が撒いた種なので…ははは…………」

その時 美人さんから思いもよらぬ発言が飛び出る

「まあ…詞ちゃんって癖が強い子だしねぇ……むしろ よく仲良く長続きしていたと思うよ 

私は「えっ!?」と吹き出す 
彼女は淡々と続ける 
「私も詞ちゃんは面白い子だと思ってたし、仲良くしたいな〜とも思ってたけど…やっぱり腹の底が見えない怖さがあったからね…… どこか本心で仲良くなれてる感じがしなかったしねぇ……」

私は驚き突っ込む「あ、やっぱり絢辻詞の二面性は君も察していたか……」

彼女が頷きながら話す「うん  だから正直 ❝謝罪文を送り返された❞って聞いた時も いかにも彼女ならやりそうだな〜って感じたよ

私はリアクションに困りつつ質問する  
「なんか君からそんな発言を聞くとは思わなかったなぁ…… むしろ あの人から ❝俺とは関わらない方が良い❞とか 言われてるかと思ってたよ」

 私の妄想に彼女は笑い出す「いやいや どんなシチュエーションwww ないないww 別に嫌う理由ないし」

私はその発言を聞いて安堵する 「ありがとう…正直 女性恐怖症になりかけていたし、全員から嫌われる恐怖感があったから、その言葉に救われたよ」

美人さんは笑いながら助言する
「そんな恐怖症って…w 別に仲良い人や関わりが深い人は他にもいるでしょ? その人達がいきなり嫌うなんて非現実的過ぎる
たしかに今は辛いかもしれないから私は頑張って
としか言えない  とりあえず高校になったら 新しい人と関わりもあるんだからさ

その言葉を聞いて 私は少しだけ前向きになれた気がした。
今でも彼女に対する感謝は忘れはしない 

この記事の時点での時系列 中学3年〜高校1年 春 絶縁してから約二週間


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