【BLEACH】藍染隊長に学ぶ文章術
こんにちは。しげです。
突然ですが、久保帯人先生が週刊少年ジャンプで15年間連載していた人気漫画『BLEACH』の登場人物「藍染惣右介」を知っていますか?
簡単に説明すると、『ドラゴンボール』のフリーザー様や『るろうに剣心』の志々雄真実のような存在。その漫画を代表するボスキャラです。
ストーリー上では、尸魂界(ソウルソサエティ)篇で初登場。初めは護廷十三隊の五番隊隊長でしたが、ストーリー終盤で真の黒幕ということが発覚します。
そして、尸魂界側を裏切り、次の章である破面(アランカル)篇のボスとして主人公たちの前に立ち塞がります。
そんな彼はとても魅力的なキャラクターで、連載終了後の今でも、ネット上では何かと話題に上がる人物です。その魅力を作り出す要因の1つに彼の名言があります。
先日、Twitterのトレンドに何故か『BLEACH』が入っており、久しぶりに読みたい気持ちが高まりました。現在の家には単行本は置いていないため、ネット上にある『BLEACH』の解説集や名言集などを読んで懐かしさに浸っていました。その時、ふと藍染隊長の名言が目に留まりました。
この名言を見て、僕はあることを思い出しました。それは、
「藍染隊長文章を書く上で大切なことめっちゃ、言ってるやん!」
ということです。
なんやなんや!どういうことや、と思った人は慌てないで下さい。
今から、3つの名言を例に挙げて解説していきます。
まずは紅茶でも入れようか。
①憧れは理解から最も遠い感情だよ
まず初めの名言はこちら
尸魂界篇の中盤に藍染は本性を表し、部下である雛森桃(ひなもりもも)の胸を刀で刺し、その場を去ろうとしました。その際に、同じ護廷十三隊の十番隊隊長である日番谷冬獅郎(ひつがやとうしろう)と出会います。
日番谷は血まみれで横たわる雛森と藍染の裏切りの言葉に「騙してやがったのか…!」と怒りの声を震わせました。すると藍染は「騙したつもりはないさ ただ、君達が誰一人理解していなかっただけだ 僕の本当の姿をね」
と言い、続けてこの名言を言い放つのです。
この言葉は、憧れるだけじゃ理解は出来ない。むしろ最も遠いところにある感情だと言っています。文章を書く上では、書くべき対象のことを理解していないと上手く書くことは出来ません。
憧れているだけじゃ書けない。理解するために、その対象のことを”自分ごと”に置き換えて理解しろと藍染隊長は言っているわけです。
②あまり強い言葉を遣うなよ、弱く見えるぞ
続いての名言はこちら
先ほどの名言「憧れは理解から最も遠い感情だよ」のシーンから、すぐその後のこと。日番谷は藍染の裏切りや雛森を傷つけたという事実に激怒し、卍解(ばんかい)という奥の手である大紅蓮氷輪丸(だいぐれんひょうりんまる)を発動させます。そして、藍染に怒りの矛先を向け、
「藍染、オレはテメーを殺す。」
と言い放つのです。しかし、藍染は笑みを浮かべ、この名言で煽り返すのです。
この言葉は非常に単純で、強い言葉を使うと弱く見えるということです。つまり、文章を書く上ではそういった表現をあまり使うべきではないとうことです。
文章を書いていく中で、人は”素敵”,”エモい”“ヤバイ”など強い言葉をよく使いがちです。ストレートに感情を伝えれるので、便利な言葉ではありますが、使いすぎると自身の語彙を低下させ、本当に伝えたい言葉が見つからなくなってしまいます。
自分の感じた感情を”素敵”,”エモい”“ヤバイ”などと強い言葉ばかりで表現していると、弱く見えると藍染隊長は言っているわけです。
③一体いつから、鏡花水月を遣っていないと錯覚していた?
最後の名言はこちら。
破面篇の中盤、ボスである藍染と味方側の護廷十三隊&仮面の軍勢(ヴァイザード)の戦闘が繰り広げられていきます。各隊長、ヴァイザードの一員同士のコンビネーションもあり、とうとう藍染を追い詰めました。そして、日番谷が背後から胸を突き藍染を倒したと思った次の瞬間。
日番谷が突き刺していたのは藍染をではなく、雛森でした。
これは藍染の斬魄刀である鏡花水月の能力によるものだったのです。この能力は「完全催眠」。そのため、隊長たちは雛森を藍染だと錯覚していたのです。
そして、恐ろしいのがいつ鏡花水月を使ったのかが分からないところにあります。そのため、ヴァイザードのリーダー平子真子が「せやから一体いつから…鏡花水月を遣うてたかって訊いてんねん!!!」と怒鳴り散らすことになります。
その返答として放った言葉がこの名言です。疑問文に疑問文で返す高等煽りテクニック、さすがは藍染隊長。某漫画に登場する変態手首愛好家もぶち切れてしまうほどの一言ですね。
さて、この言葉は「いつから錯覚していた?」という点が大切になります。文章を書く上では、常識を疑い本当にそうなのか?という姿勢が大切です。疑い、仮説を立て、調べてから書く。この一連の流れが良い文章を作り上げます。
また、文章を書き上げた最後に、必ず推敲という作業を行わなければいけません。自分で書いた文章は、意外とミスが無いと思いがちです。しかし、一旦客観的な立場に立って文章を推敲しなければ、見えてくるものも見えません。
このように、「常識だ 正しいはずだ」と錯覚するのではなく、疑い続けることが大切だと藍染隊長は言っているわけです。
最後に
藍染隊長の3つの名言と文章を書く上での大切なこと。少々無理やりではありますが、結びつくところがあったのではないですか?
「こんなの当たり前やん!」
と言える人は素直に尊敬します。僕は、大切だと思っていても、実行出来ていない部分もありますので、まだまだ未熟者です。
ですが、僕みたいな人も多くいると思います。そんな人たちは文章を書くとき、今回紹介した藍染隊長の名言を思い出してから、書き始めることをオススメします。
そうすれば、自然と文章は上達し、藍染隊長のような魅力的な文章が書けるのではないかと思います。
おしまい。
※2022.11/23編集