乗鞍高原と大カエデ
乗鞍高原の大カエデを見に行った。週末の仕事を終え、帰宅してから車泊道具一式を車に積み込み出発。東海北陸道松ノ木峠PAで仮眠。ここは標高が1,000m以上あるからダウンパーカーを着込んで眠った。ついひと月前までは、蒸し暑くて車泊を敬遠しがちだったが、暑いどころか朝方は背中が冷えて身震いすること数回。それでもよく眠れた。早朝、霧が降りる飛騨清見ICを出て平湯方面へ。
平湯峠、白骨温泉を通過して「乗鞍高原」エリアに入ってから少し寄り道。乗鞍エコーラインと称する山岳道路を登る。舗装はされているが急な坂道が続く。長野県側から乗鞍畳平へ続く道だ。大型のバスが3台、前を走っているが急坂をものともしない。人力で畳平を目指す自転車も数台見かけた。岐阜県側の乗鞍スカイライン同様、乗鞍エコーラインもマイカー規制が敷かれている。一般車両は「三本滝ゲート」で折り返しとなる。自分はそこまでは進まず、ずっと手前の空き地でUターンした。寄り道した分だけ到着が遅れて8時前に「ツツジ園駐車場」に駐車した。駐車場は8割方埋まっていたが運よく端っこに止められた。ここはお目当ての「大カエデ」に一番近く、仮設だがトイレもある。
早速「大カエデ」を観覧。幹の周辺に人は数名。どちらかというと乗鞍連峰と対峙する稜線に向けてカメラを並べる人が多い。稜線の向こうには鷹の渡りで有名な白樺峠があるが、鷹を狙っているのだろうか。
大カエデは肉眼で見るとそれほど紅くない。というか、撮影した画像や動画で見ると赤が協調されるのか色づきを感じられる。しかし実際は青々としていて(ように見える)、まだ早かったかと思わずにはいられなかった。実際、昨年10月23日に登山系youtuberが撮影した動画を見たが、それは燃えるように紅い大カエデであった。
大カエデだけを観覧して帰るのは勿体ない、ということで散策に向かう。朝露が降りて水気を含んだ草はズボンの裾を濡らす。そもそもこの辺りは湿地なんだろう。歩道の所々は泥濘でいる。オソメ池。水草が浮いていたため気にも留めなかったが、立つ位置によって水面に浮かぶ乗鞍連峰を楽しめることを後で知る。
湿地帯から森の中へ。女小屋(めごや)の森。入口付近は下草が伸びて踏み跡も不明瞭。ここまでの湿地帯は泥濘があっても大した問題ではなかったが状況が一変する。丸太組の橋を渡る渡渉が数回。これが要注意である。濡れていて滑り易い丸太橋をへっぴり腰で渡った。沢沿いを歩く木道の回廊があるが夏は気持ちが良いだろう。
森の中はスマホの電波が届かず一抹の不安があったが、ブナ林の黄葉に癒されつつ前進する。
ほどなく目の前が開いて建物が現れた。旧一ノ瀬キャンプ場(建物には乗鞍高原野営場管理棟とあった)である。トイレ棟もあったがロープで締め切られていた。
ここまで来るとスマホも復活し、地図アプリで位置が把握できる。「まいめの池駐車場」を目指して砂利道を歩く。女小屋の森を流れていた沢だろうか、架かる橋の上から覗いたら驚いた魚(20cm以上はあった)が逃げて行った。
まいめの池駐車場の傍らに透明なドームが二つ。乗鞍ネイチャードームは予約制のカフェ・レストランのようだ。満点の星空ならばともかく、荒天の夜はどうなんだろう…とか、考えてしまう伝統的な労働者階級がここに居る。
直ぐ近くにあった「まいめの池」をスルーしてしまったのが悔やまれるが、次の機会に残しておこう。乗鞍高原は乗鞍連峰の東側に広がる標高1500m前後の高原。数年前に善五郎の滝付近を歩いたことがあったが、見どころ歩きどころはまだまだありそう。
往きは沢渡から白骨温泉を経て乗鞍高原へ向かったが、帰りは前川渡に出て沢渡を通過した。午前11時前だったと思うが、第4駐車場辺りまで駐車場に溢れた路上駐車の列が左右に連なる。ほとんどが上高地への観光客と思われる。
旅行日:2024年10月13日